大相撲秋場所 横綱初V 大の里「ひと味違う」 一夜明け会見
大相撲秋場所で2場所ぶり5度目の優勝を果たした横綱大の里(25)=本名中村泰輝、石川県出身=が千秋楽から一夜明けた29日、茨城県阿見町荒川本郷の二所ノ関部屋で記者会見し、「今までの優勝とはひと味違う」と、横綱昇進後初の賜杯獲得を喜んだ。
秋場所は4日目で黒星を喫し、「早い段階で1敗したので優勝は考えなかった」と、気持ちを切り替えて臨んでいた。5日目以降は「集中して挑めていた」と持ち前の攻撃相撲で相手を圧倒、9連勝で13日目に単独首位に立った。
千秋楽の結びの一番で優勝を争う横綱豊昇龍に敗れ、13勝2敗で並ばれた。前日に師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)から「淡々とやりなさい」と助言をもらっていたが、「あまりピンとこなかった」。本割で負けたことで、師匠の言葉を思い出した。
16年ぶりとなった横綱同士の優勝決定戦は、土俵際で豊昇龍の投げを受けながら寄り倒した。「本来なら投げられていた」と振り返る。横綱になってからも基礎基本を徹底してきた成果が最後の大一番で出た。
秋場所で今年60勝目を挙げ、九州場所を残して年間最多勝を確定させた。新入幕を果たした昨年は次点だっただけに「今年は絶対取ろうと思っていた」と胸中を明かした。
日本出身力士の年間3度の優勝は1997年の横綱貴乃花以来。「並ぶことができてうれしい」と素直に喜ぶ。11月の九州場所に向け「最高位の番付を自覚し、気を引き締めて頑張りたい」と見据えた。












