JCO臨界事故26年 「経験知継承を」 東海村・山田村長が訓話 茨城

茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)の臨界事故から26年となった30日、山田修村長は村役場で職員に訓話を行った。「この日を絶対に忘れてはならない」と述べるとともに、「原子力防災は村の重要な責務。職責をしっかり果たせるよう全職員が覚悟を持って臨んでほしい」と訴えた。
部課長級39人と事故後に入庁の62人など114人の職員が出席。冒頭、事故による大量放射線被ばくで亡くなった犠牲者2人を悼み、1分間黙とうした。
山田村長は、事故を経験した職員が約2割にまで減少した現状を指摘し「当時の生の声をしっかり伝えてほしい」と、経験知の継承を求めた。
原子力事業者に対しては安全最優先の原点を自問自答するよう求める一方、「われわれ行政に関わる者も自分事化し、住民の安全を守っていく行動を徹底しなければいけない」と自戒を込めた。
先の村長選で、自ら東海第2原発の再稼働の必要性を主張したことにも触れ、「事業者の安全対策工事をしっかり確認し、住民避難計画に対する住民周知の徹底と実効性を高めることを行っていく」とした。
訓話後、子育て支援課の田中幸羽音さん(23)は「村民の安全を第一に考え、責任ある行動を取らなければならないと再認識した」とし、真剣な表情を見せた。
臨界事故は1999年9月30日に発生。作業員2人が死亡し、周辺住民ら約660人が被ばくした。