石井章元議員在宅起訴 「裏切られた」 後援会や地元住民憤り 茨城
公設秘書の給与計約828万円をだまし取ったとして、東京地検特捜部は30日、詐欺罪で石井章元参院議員(68)=日本維新の会除名=を在宅起訴した。石井氏の地元・茨城県取手市では後援会員や住民から「裏切られた」「取手の恥」などと厳しい声が飛び交った。
同市のJR藤代駅近くにあり、8月に家宅捜索を受けた石井氏の事務所。在宅起訴されたこの日、本人の看板は設置されたままで、記者の呼びかけに事務所内から応答はなかった。一方、同駅周辺で存在感を放っていた本人ポスターは、ほとんどが撤去されていた。
後援会員の80代女性は石井氏と同じ町内会で、石井氏を旧藤代町議時代から支援してきた。「いまだ事務所からは何の説明もなく、がっかり。悪いことをやっているのなら裏切られた思い」と怒りをにじませた。
約1週間前に「周りが外しているから」と、自宅壁に掲示していた石井氏のポスターを剥がしたという。「国会議員も辞めたし、張る理由はない」と語気を強めた。
事務所近くで飲食店を経営する女性(82)は憤り、「取手の恥。まちを良くしてくれなくては困る」と話した。
小中学校で石井氏の後輩という男性(64)は、詐取したとされる約800万円について「何に必要だったのか。お金の流れが気になる」と真相解明を求めた。
石井氏が代表を務めていた茨城維新の会の関係者らも取材に応じた。幹事長の長田麻美県議は「きっちり事実を話してほしい」と石井氏に求めた上で、「支持者らにしっかり政策を説明し、立て直しをしていく」と述べた。
2022年8月から23年2月まで、石井氏の公設第2秘書を務めた水梨伸晃・同県牛久市議(46)は「驚きのひと言」と心境を語った。8月に検察の聞き取りがあり「知っていることはすべて話した」と明かした。
■茨城維新・井上代表 「改めておわびを」
茨城維新の会前代表の石井章元参院議員が詐欺罪で在宅起訴されたことを受け、後任の井上英孝代表は30日、茨城新聞の取材に対し「非常に遺憾。本当にお騒がせし、改めておわびを申し上げる」と支持者や県民に陳謝した。
石井氏については、捜査に協力すると聞いているとし、「しっかりと対応してほしい」と注文。7月の参院選で初当選した長女の石井めぐみ氏とは今後、直接対話し、対応方針を模索するとした。
さらに、同会の状況を巡っては「非常に厳しい。一から出直す思いで信頼回復を図る」と述べた。











