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来たれ若者「漁師塾」 日立市水産振興協 従事者減に危機感 生活費助成で後押し 茨城

会瀬漁港の定置網で取れた魚を選ぶ漁業関係者。漁協などが後継者を募っている=日立市会瀬町
会瀬漁港の定置網で取れた魚を選ぶ漁業関係者。漁協などが後継者を募っている=日立市会瀬町


茨城県日立市の漁協などが、漁業の後継者を育てる「漁師塾」を開く。若者などを対象に初めて一般募集し、参加者は底引き網や定置網といった3種類の漁法をそれぞれ最大2カ月にわたり体験。市は生活費を助成して後押しする。取り組みの背景には、市内の漁業者数が下げ止まらない現状がある。危機感を募らせる市や漁協は門戸を広げ、減少を食い止めたい構えだ。

市や漁協、加工組合などでつくる市水産振興協議会が主体となり、「ひたち漁師塾」と銘打ち、漁業に関心がある若者らを募る。市によると、県内では一日体験などはあるが、長期間の就労型の体験事業は初めて。漁協や船主による通常の求人だけでなく、全国の同様の例を参考に一般公募の塾導入を決めた。

市農林水産課によると、漁業者は昨年度実績で久慈町、久慈浜丸小、川尻の3漁協の計132人で、9割が個人経営。過去10年では約70人、3割強減った。漁業者の高齢化が進み、廃業者が新規就業者を上回る減少が続く。漁協によっては、アジア圏出身の技能実習生を活用している。

塾の期間は最大6カ月間。申し込みがあり次第、順次始める。漁師の指導の下、市内で行われている底引き網、定置網、船引き網の三つの漁を1~2カ月間ずつ学び体験する。

底引き網漁の日課は、午前1時半に集合し、出港から網揚げ、水揚げ作業を経て午後5時半に終える。取れる魚種はヤリイカやメヒカリ、アンコウなど。定置網漁は午前4時~午後2時で、マアジやサバ、ブリ、マダイなどを扱う。船引き網漁は午前3時15分~午後2時半で、取れる魚種はシラスやシラウオ。

同市の会瀬漁港で定置網漁を行う河田純漁労長は、漁師の魅力について「茨城の海はおいしい魚が豊富。毎日違う魚が取れ、どんな魚が入るか楽しい」と強調。「それほど、きつい仕事ではないのでは」とアピールする。

塾の費用は無料。食費や交通費、宿泊費などは自己負担。就労支援金として月10万円が支給される。募集人数は2人で申込期間は12月19日まで。市は予算180万円を計上した。

市農林水産課は「三つの漁法を体験し、気に入ったものがあれば就労につなげていきたい。意欲のある人に来てほしい」と呼びかける。今後は未経験者向けの週末の一日体験を開くなど、応募しやすい環境も整えたいという。



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