レーサー目指し疾走 水戸の中3・栗田さん リアルとバーチャル 腕磨き「極める」 茨城
茨城県水戸市立緑岡中3年の栗田渚真さん(15)がレーシングドライバーになる夢を追いかけている。サーキットでゴーカートを走らせ、家ではレーシングシミュレーターで練習を積む。eスポーツのレースで活躍する機会も増え、県内大会で王者に輝いたほか、今秋の全国選手権に出場する茨城代表の座を勝ち取った。リアルとバーチャルで腕を磨く「二刀流」中学生。「絶対に夢をつかむ」と、プロレーサーへと駆け上がる。
栗田さんは小さい頃から自動車好き。小学6年の時に見た自動車レースの動画に衝撃を受けた。時速数百キロの高速の世界で戦うレーサーの姿に「すごい。自分もプロになりたい」と憧れを抱いた。サーキットに通い始め、夢への一歩を踏み出した。
■醍醐味
いつでも自宅で練習できるようレーシングシミュレーターも導入した。練習は平日約3時間、休日は半日近くハンドルを握る。オンラインで世界中の人たちと対戦を重ね、一流選手のテクニックを学ぶ。
月に数回サーキットに足を運び、シミュレーターとは違うスピード感やハンドリングなど「生の感触」を確かめる。屋外レースでは「走る楽しさ」を改めて実感するという。
超高速世界の迫力に加え、相手との駆け引きも大きな魅力。レースに勝つために計算して最高のパフォーマンスを引き出すマネジメント力も醍醐味(だいごみ)の一つだ。
レースには持久力、メンタルの強さも求められる。「失敗しても諦めず、何度も繰り返し走り込む」。強さを求めて、日々の鍛錬を欠かさない。
■初優勝
本格的に走り始めて3年余り。めきめき頭角を現し、最近はeスポーツの大会に参戦して腕を試す。
昨年、県内の大会で総合優勝を飾り、悲願の頂点に立った。「これまでやってきた練習の成果を出し切れた。本当にうれしかった」と笑顔で振り返る。
11月に滋賀県で開かれる「全国都道府県対抗eスポーツ選手権2025」グランツーリスモU-18の部の茨城県代表になった。約1カ月間にわたるタイムトライアル予選で計1000回を超える挑戦の末、見事トップタイムをたたき出した。
現在はeスポーツのレーシングチームに所属して技術を磨く。今後は自動車関連の知識を学べる進路を目指すほか、レーサー育成プログラムにも挑戦したい考えだ。
目指すは国内最高峰の自動車レース「スーパーGT」のドライバー。「バーチャルもリアルも極めたい。一歩ずつでも成長して、いつか絶対に夢をつかむ」。力強く宣言した。












