外国人共生へ制度要望 茨城県市長会・町村会 特別委が初会合

外国人との共生に向け、茨城県市長会(会長・松丸修久守谷市長)と県町村会(会長・中島栄美浦村長)は6日、同県水戸市内で対応策を探る特別委員会の初会合を開いた。地域で増加傾向にある外国人のルール遵守や土地取得の在り方など、さまざまな課題について議論、集約した。今後、具体的な対策を示した要望書としてまとめ、来年2月にも国に制度設計を提言する。
県市長会と県町村会が設置したのは「外国人との共生に関する特別委員会」。両会による合同の特別委設置は初めて。初会合には23市町村長らが出席し、委員長には常総市の神達岳志市長が就いた。
会合で、各市町村に行った事前アンケートを基に、外国人と共生するための課題などについて意見交換した。①国が方針を示すべき事案②制度の改正③国や県の支援拡充④コミュニケーション問題-の4項目に分け、それぞれの対応策などを集約した。
具体的には、自治体任せとなっている生活習慣や地域交流などの課題を「国としての方針と施策を早急に示すべき」問題として位置付けた。土地取得要件や在留資格更新の厳格化、居住不明児の所在を確認する市町村間ネットワークの構築、農地集約面積の制限など100項目を超える対策案を議論した。
特別委は集約した対応策を12月までに要望案としてまとめ、来年1月の市長会や町村会で正式に決定する。同2月には国や県などに要望書として提出し、制度設計を提言していく。コミュニケーションに関する対策は、市町村間で情報を共有する仕組みをつくり、対応力強化につなげていく。
神達委員長は常総市内の外国人が全人口の12%を占めている現状を説明し、「頑張っている外国人も多く、社会の分断を生まない取り組みが求められる。現場を踏まえた提言をすることで、どんな政策や制度が必要なのかを総合的に考えてもらう必要がある」と、国の制度設計を促す考えを示した。
松丸市長会長は「人口が減る中で、外国人との共生は地域にとって避けて通れない大きな課題。一方で、国の受け入れ施策はまだ未熟な状況にある。基礎自治体として課題や対策を抽出し、積極的に要望していく」と話した。