茨城-台湾定期便運休へ 26日から ダイヤ変更で搭乗率低下

茨城県は8日、茨城空港(同県小美玉市)と台湾・台北を結ぶ定期便が26日から運休すると発表した。3月末に変更になった運航ダイヤにより、搭乗率が低下していた。県は運航する台湾の格安航空会社(LCC)・タイガーエア台湾を含め、各社に早期再開を働きかける。
茨城空港の国際線で定期便が運休したのは、2019年9月まで運航した韓国LCC・イースター航空の仁川(ソウル)便以来。
県空港対策課によると、台北便は木曜と日曜の週2便。3月30日からダイヤが変わり、台北に到着する時間が以前より約5時間遅い午後11時ごろとなった。このため、市街地への交通アクセスが悪化し、搭乗率が下がったという。
7月に日本で大災害が起こるといううわさが広まったことや、パイロット不足による同社の路線再編成も影響したとみられる。ダイヤ変更前は満席に近い状態で好調だったが、変更後の搭乗率は3分の2程度に減っていた。
県内に昨年宿泊した台湾の旅行客は延べ約4万8000人で、国・地域別で最も多かった。台湾を巡っては、県産食材の販路拡大やインバウンド(訪日客)誘客のため大井川和彦知事が1月に現地でトップセールスを行うなど、近年は県や県内の市町村も交流を深めていた。
同課の峯英統課長は「さらなる交流拡大を期待していた中での運休は残念。早期の再開に向けて強く働きかけていく」と強調。現時点で再開の見通しは立っていない。
台北便は連続チャーター便を経て18年10月に定期便が就航した。世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響で、20年3月からいったん運休したが、23年3月に再開していた。