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高校生行政書士が誕生 水戸在住・悉知さん 「いじめ被害者の権利守る」 茨城

国内最年少の行政書士となった悉知信さん=水戸市内
国内最年少の行政書士となった悉知信さん=水戸市内


国内最年少となる高校生の行政書士が誕生した。茨城県水戸市在住で通信制高校3年の悉知信(しっちあきら)さん(18)は高1で試験に合格後、行政書士の登録が可能になる18歳の誕生日を迎え、9月1日付で登録された。悉知さんは小学時代にいじめを受けた経験から、「苦しむ子どもを少しでもなくしたい」との思いを胸に、いじめ事案の示談書作成や行政への情報公開請求などに当たりたいと意気込む。

資格取得への原動力となったのは、公立小に通っていた6年生の時、いじめに遭ったことだ。当初は悪口や無視などで始まり、徐々にエスカレート。いじめへの抵抗からもみ合いになって腕を骨折したこともあったという。こうした中、人生の岐路ともいえる出来事が起こる。

学校側の聞き取りに対し、いじめがあったことを必死に訴えたが、「あなたの証言だけでは証拠にならない」と突き放されたという。悉知さんはその時を振り返り、「絶望どころではなかった。SOSを出しているのに信じてくれなかった」と話し、今でもトラウマの一つとして胸に刻み込まれていると明かす。

私立中に進学したものの、偶然にも加害者グループの一人と同じ学校に進学したことが入学時に分かり、約2年間の不登校と公立中への転校も経験した。

自分の将来について考えたり、行動したりできる時間が多く取れることから、通信制高校に進学。小中時代の経験を通して、いじめを少しでもなくすために何かできることはないかと考え、第一歩として行政書士を目指した。

現在は大学進学を見据え、東京都行政書士会に登録し、プライマリ行政書士法人(東京)に所属する。登録地は東京であるものの、茨城県内の案件も積極的に受けていく考えだ。

登録などにかかる諸費用はクラウドファンディング(CF)で集めた。目標額50万円に対し、134人から計65万1000円が集まった。支援の中には高校生がアルバイトで貯めてくれたものもあり、「皆さんの協力が励みになった」と語る。

今後は若い視点や自身の経験を生かし、相談者に寄り添った行政書士を心がけ、将来は弁護士を目指すという。

悉知さんは「大人の社会でもいじめやハラスメントがあるのに、学校でのいじめをゼロにするのは難しい」と指摘。「それでも被害者の権利を守ることはできる。自分のできることをやっていく」。胸に着けたバッジを輝かせた。



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