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国の治水対策 新堤防進捗率 那珂川77%、久慈川は56% 26年度完了目指す

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2019年10月の東日本台風(台風19号)の被災を受けて策定した那珂川と久慈川の「緊急治水対策プロジェクト」で、新たな堤防整備の進捗(しんちょく)率が那珂川で77%、久慈川で56%に達した。国土交通省が12日までに明らかにした。那珂川は茨城県内の2地区、久慈川は国管理区間の2地区などで既に完了。課題の用地補償契約を人員を増やすなどして加速させ、計画に定めた26年度の完了を目指す。

プロジェクトは20年1月に策定。両河川で築堤や河道掘削のほか、遊水地整備や家屋移転などを組み合わせて、東日本台風と同じ程度の水位上昇から流域を守るのが目的。那珂川は同省の常陸河川国道事務所、久慈川は久慈川緊急治水対策河川事務所が担う。

両事務所によると、那珂川の堤防整備は14.6キロを計画。9月末時点で11.2キロを築堤できた。対象は茨城県と栃木県の6市町6地区。このうち大野(茨城県水戸市)と下江戸・下圷(同県那珂市・城里町)の2地区の工事が完了した。

久慈川では国管理区間の14.6キロと、茨城県に代わり整備する権限代行区間の18.2キロで計画される。進捗率はそれぞれ60%と53%。対象は県内5市町の23地区。本米崎(那珂市)、宇留野・富岡(同県常陸大宮市)などで工事を終えた。

プロジェクトの完了に向け、課題は用地補償契約の交渉だ。両事務所は「一つの区画に複数の地権者がおり、交渉に時間がかかるほか、連絡が取れない人もいる」と話す。今後は交渉を担当する人員を増やす方針。土地を取得でき次第、着工し、26年度までの完了を目指す。

このほか、河川敷を掘って、流れる水の量を増やす河道掘削については、那珂川は県内2市6地区で160万立方メートルの掘削を計画。進捗率は77%に達した。久慈川では国管理区間の5市村5地区で105万立方メートル、権限代行区間の2市町7地区で108万立方メートルの掘削を計画。進捗率はそれぞれ58%と51%で、全体では54%になった。国管理区間では同県日立市と東海村の2地区で完了した。

一方、常陸大宮市と同県城里町の那珂川沿いに整備する大場遊水地は、用地補償交渉が影響し、進捗率は25%にとどまる。越水や決壊を感知し、迅速な情報提供につなげるセンサーは那珂川水系に335基、久慈川水系に118基設置した。

両事務所は、水害が発生した時の避難行動計画「マイ・タイムライン」作成を促す講習会など、ソフト面での取り組みも展開する。常陸河川国道事務所の秋元賢一副所長は「防災施設の整備と住民の防災意識向上を一体で進め、一日も早く地域の安心安全を図りたい」と話した。

★東日本台風(台風19号)

2019年10月12日夜、静岡県の伊豆半島に上陸。広範囲で記録的な大雨となり、各地で土砂災害や河川氾濫による浸水被害が相次いだ。茨城県では那珂川や久慈川の堤防が決壊するなどして2人が死亡、1人が行方不明となった。住宅は6市町で146件が全壊、20市町で1590件が半壊した。



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