《60th 茨城県芸術祭》能楽 連吟や仕舞、優雅に


茨城県芸術祭(県、茨城文化団体連合、茨城新聞社など主催)は13日、同県ひたちなか市青葉町の市文化会館で「能楽大会」、同県那珂市古徳の市総合センターらぽーるで「民謡民舞大会Ⅱ」を開いた。
能楽大会は、ひたちなか市青葉町の市文化会館で開かれ、県能楽連盟(石川庄三代表)に加盟する6流派の愛好者らが、伝統的な連吟(れんぎん)や仕舞(しまい)、居囃子(いばやし)などを優雅に披露した。
午後の部2番目の仕舞では観世流の男女2人が登場。圷優子さんが「玉髪(たまかずら)」を、松本定信さんが「融(とおる)」をそれぞれ演じた。細やかな扇子の動きや時折出る「足拍子」が、人物の深い内面を表現した。
同連盟の石川代表は「近年は愛好者の高齢化が進み、県内の学校に出向いて能楽のPRに努めている。今大会では中学3年生から80代後半の方まで幅広い参加があった。皆、日ごろの稽古の成果を発揮し、伸び伸びと演じていたようだ」と話した。
■伸びやかな歌声披露 民謡民舞Ⅱ
民謡民舞大会Ⅱは、県民謡協会(園部春香会長)加盟13団体と一般1団体から、約150人が参加した。参加者は着物やそろいの法被を着用し、感情のこもった伸びやかな歌声を響かせた。客席からは盛んに拍手が送られた。
演目は茨城県ゆかりの「磯節」や「筑波山唄」、「茨城船甚句」のほか、北海道から熊本県まで全国各地で歌い継がれる民謡を発表。歌に合わせ、三味線や尺八、太鼓を演奏した。一部の演目では小中学生もステージに立った。秀蓮会は13人が参加。合唱で「灘の酒造り祝い唄」などを披露。代表の藤本秀蓮さんは「一生懸命に勉強して、力の全てをステージで発表した」と話した。園部会長(水戸若音会・会主)は「皆さん趣向を凝らし、洗練された演目を発表され、うれしい限り」と語った。