わいせつDB未確認の教職員9329人 茨城県教委 23年度以降採用・異動時 処分歴なし

茨城県教育委員会が採用した教職員の一部で、児童生徒へのわいせつ行為に関する処分歴を国のデータベース(DB)で確認していなかった問題で、県教委は14日、対象人数について2023年4月以降に採用・異動した県立、市町村立学校の教職員延べ9329人だったことを明らかにした。改めて確認したところ、処分歴がある人はいなかった。県教委が県庁で記者会見して説明し謝罪した。
23年4月から運用が始まった国のDB「特定免許状失効者等に関するデータベース」は、子どもへのわいせつ行為や盗撮などにより、懲戒免職などの処分を受けて教員免許が失われた人の情報が記録されている。「教員による児童生徒性暴力防止法」は、正規教員だけでなく常勤講師や非常勤講師、実習助手など全ての教職員の採用時や市町村をまたぐ異動時などでDB確認を義務付けている。
県教委によると、採用時に未確認だったのは、市町村立の小中・義務教育学校、特別支援学校と、県立の中高・中等教育学校、特別支援学校の臨時的任用教員や同実習助手、非常勤講師。DB確認が義務化された23年4月以降に採用した8313人のうち5050人を確認していなかった。
再任用や市町村をまたぐ異動時に未確認だったのは、市町村立の小中・義務教育学校、特別支援学校と、県立の中高・中等教育学校、特別支援学校の再任用教職員ら4279人。23年4月以降に再任用や異動などがあった全員が未確認だった。正規教員に対しては、教員選考試験による新規採用時などでは確認していたものの、再任用や異動時には確認していなかった。
県教委は、DB確認が義務という認識が欠けていたり、子どもへの性暴力に限らず教員免許の全ての失効者が載る「官報情報検索ツール」で確認すれば十分と誤認したりしていたことが原因だったと説明した。今後は採用・異動に関するマニュアルを整え、再発防止を図る。
柳橋常喜教育長は「重要な手続きが適切に実施されていなかったことについて重く受け止め、深くおわびする」と謝罪した。