茨城県新品種ナシ 「ピュアリス」30年本格出荷へ 病害に抵抗性 爽やかな甘み

茨城県が長年育成してきたナシ「ひたちP3号」について、県は15日、新品種「ピュアリス」と名称を決め、特許庁に商標登録したと発表した。都道府県が育成した品種で、落葉や落果を引き起こす病害「黒星病」に抵抗性を持つ品種は全国で初めて。2030年から果実が本格的に市場に出荷される見込み。県議会の営業戦略農林水産委員会で報告した。
ピュアリスは、酸味が少なく爽やかな甘みが特徴で、生産者から高い評価が得られているという。果実の出荷時期は8月下旬から9月上旬ごろ。新品種育成で、県は約30年かけて改良を重ねてきた。商標登録は今年8月12日付。
ピュアリスの名称は一般公募で寄せられた約1400件の中から選定。「ピュア」と「エリス(天国の)」を組み合わせ、特徴の上品で洗練された甘みと食感を表現した。
県は12月、産地と調整して苗木販売を開始。27年から試験販売し、果実は30年から本格出荷される予定だ。