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若者の薬物乱用深刻 茨城県警、啓発に注力 「やめにくい環境」問題視

美乃浜学園で開かれた薬物乱用防止教室=9月16日、ひたちなか市磯崎町
美乃浜学園で開かれた薬物乱用防止教室=9月16日、ひたちなか市磯崎町


大麻を所持・使用したなどして、19歳以下の若者が茨城県警に摘発されるケースが後を絶たない。県警は1~8月に計8人を摘発し、このうち半数は高校生だった。こうした状況を踏まえ、県警は乱用防止教室を通して、若者への啓発を進めている。薬物依存症のリハビリ施設の関係者は若い世代が購入などで秘匿性の高いメッセージアプリを使いこなせるため、「発覚しにくくなり、やめにくい環境に突き進んでいる」と指摘する。

「大麻で捕まる高校生がいる。皆さんが思うよりも薬物は身近なもの」

県警が9月16日、同県ひたちなか市の義務教育学校「美乃浜学園」で開いた薬物乱用防止教室。高校受験を控えた9年生約60人が真剣な表情で話を聞いた。

講師は大麻やコカインなど違法な薬物を使用することで、学習能力の低下や幻覚により他人に危害を加える可能性があると説明。薬の効果が切れたらイライラし、より多くの薬を求めてしまうとし、「やめたいと思っても、自分の気持ちだけではやめられなくなる」と依存症の怖さを強調した。

同教室は2024年の1年間だけで、小中高生向けに計378回開催された。

■後絶たず

県警が若者への啓発に注力する背景には、乱用が後を絶たない実態がある。警察庁の公表資料によると、全国で大麻乱用により摘発された14~19歳の若者は23年以降、1000人台を記録。同年は1222人、24年は1128人だった。

県警によると、県内で大麻などを所持・使用したなどして摘発された19歳以下の若者は、今年1~8月に計8人。近年は21年に19人、22年に12人、23年に25人、24年に10人と増減を繰り返している。

このうち、高校生は24年の1人を除き3~4人で推移。減少傾向は見られない。今年6~7月には麻薬取締法違反(大麻所持など)の疑いで、鹿行地域の県立高の2年生男女2人が摘発された。

■募る危機感

薬物依存症の民間リハビリ施設「茨城ダルク」(同県結城市)の水ノ江淳施設長は「高校生やその親からの大麻やコカインの相談が増えており、驚いている」と危機感を募らせる。

若い世代は薬物の購入時、秘匿性の高いメッセージアプリを使いこなせるため、「周囲や警察に発覚しにくくなっている。(薬物を)やめにくい環境にどんどん突き進んでいる」と指摘。薬物に依存すれば、購入のため闇バイトなどに手を染める可能性もあると、警鐘を鳴らす。

悩みや生きづらさが手を染めるきっかけにもなるとし、周囲に相談することの大切さを強調。「警察と力を合わせて、粘り強く対応していきたい」と語った。



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