茨城県予算要求 物価高、適切反映へ 上限なし特別枠継続

茨城県は20日、2026年度当初予算要求の基本方針を発表した。経済の好循環実現へ向け、物価高騰対策や賃上げ支援のほか、労務単価、調達価格上昇の適切な反映による価格転嫁の推進などを掲げた。重要施策に上限を設けない「新しい茨城づくり特別枠」は9年連続で継続する。
この日、県の各部局に基本方針を通知し、予算編成に着手した。11月半ばまで各部局から要求を受け付け、来年1月末までに取りまとめた上で同2月末に開会予定の県議会に提案する見通し。
基本方針に掲げた、国と歩調を合わせた物価高騰対策や賃上げ支援、労務単価や調達価格上昇の適切な反映については、本年度新たに重視する点として設定。このほか、新しい発想の施策展開▽既存施策をPDCAサイクルで検証し見直す▽選択と集中の徹底▽デジタル化推進と生産性向上-も求めた。
県財政課は、県の財政指標が改善傾向にある一方、高齢化に伴う社会保障費の増額や物価高騰、世界情勢、気候変動などで「今後の税収見通しは不透明な状況」と説明。人口減少が進む中、茨城県の発展には「活力があり『県民が日本一幸せな県』実現へ向けた施策を構築していくことが必要」とした。
同課によると、特別枠には昨年、81件で138億円分の要求があり、25年度当初で73件102億円分が予算化された。また、選択と集中により、35件19億円分の事業が廃止となった。