茨城・役所車突入 被告「殺傷の考えない」 水戸地裁初公判 起訴内容を一部否認

2023年12月に茨城県日立市役所前の広場と同県東海村役場に車で突っ込み、人をはねて殺害しようとしたとして、殺人未遂などの罪に問われた日立市久慈町3丁目、無職、益子泰被告(55)の裁判員裁判初公判が20日、水戸地裁(有賀貞博裁判長)で開かれ、益子被告は「殺傷しようと考えたことはない。私は意識障害を起こしていた」などと起訴内容を一部否認した。弁護側は責任能力を争うとした。
検察側は冒頭陳述で、自分の思い通りにならない不満を実母らに思い知らせようと考え、実母を車に乗せたまま、市役所広場のイベント会場に突っ込むことを決意したと主張。「参加者を無差別にはね飛ばした」と指摘し、犯行の前後に柱を避けるなど適切に運転できる状況にあったとして「完全責任能力があった」とした。
村役場の玄関に車で突っ込んだ事件については、1999年に発生した核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)の臨界事故で被ばくして以来、「東海村役場の対応に不満を抱いていた」と指摘した。
弁護側は、市役所のイベント会場にブレーキをかけずに突っ込んだのは、あくまでクレジットカードを止めるなどした母親に本当のことを話してもらうことが目的だったとして、「人に危害を及ぼすことを認識していなかった」と主張。当時は意識障害が生じており「心神喪失または心神耗弱状態にあった」と述べた。
村役場での事件では事実関係に争いはなく、公判では市役所での事件に関し、益子被告に責任能力の有無などが争点となる。
起訴状などによると、益子被告は23年12月6日午後0時58分ごろ、市役所の大屋根広場で行われていたイベント参加者の男女2人を殺傷しようと、自らが運転する普通自動車を時速約47.5キロまで加速させながら衝突させるなどして重軽傷を負わせた上、避けようとした男性を転倒させて軽傷を負わせたとされる。
その約30分後の同日午後1時29分ごろ、村役場の東側玄関から建物に向かって普通乗用車を突入させ、同建物内の自動ドアなど(損害額712万300円)を損壊し、オフィスチェアなど12点(同230万4379円)を損壊したとされる。
益子被告はこの日、上下紺色のジャージーにマスク姿で出廷。裁判長からの質問には正面を向いてはっきりとした声で答えた。
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