高市内閣発足 課題 待ったなし 茨城県民 経済対策に関心
日本のかじ取りが女性に託された。21日に誕生した高市早苗首相(64)。日本維新の会を連立パートナーとした新たな船出は、物価高対策など待ったなしの課題が目の前に迫る。憲政史上初の女性宰相は未来に希望が持てる政治を実現できるか。茨城県民から政策実現へ期待と懸念の声が上がった。
「世界を見渡せば女性のリーダーが既にいる。日本もやっと前に進んだ」
同県水戸市の公務員男性(45)は初の女性首相誕生を歓迎。女性初という枕言葉に関し、「高市さんが首相になったことで、他分野でも、なくなっていくきっかけになればいい」と話した。
同市の団体職員、土屋勝さん(51)は「女性」を特に意識していないといい、「幅広い国民の考え方を拾う視点を持ってほしい」と願いを込めた。
▼減税や農家支援
物価高が続く中、経済対策にも県民の関心は高まる。同県日立市で商店を経営する佐藤洋一郎さん(65)は減税に賛成し、特に消費税について「消費に対する心理的抑制につながっている。期限付きでも廃止すべき」と求めた。
同県那珂市でコメやキャベツを栽培する農家、小林大輔さん(42)は、中小規模の個人農家や新規就農者への経済支援に期待。「ここ数年で軽油の価格が1.5倍ほどに高騰し、生産コストが上がっている。暫定税率がなくなれば、あらゆる農家が恩恵を受けるはず」と実現を切に望んだ。
一方で、同県鉾田市の無職、勢子正秀さん(70)は「どこからお金を持ってくるのか」と、減税による財政への影響を不安視した。
▼共生へルールを
外国人政策を巡っては、バランスの取れた対応を求める声が相次いだ。外国人を雇う同県取手市の食肉処理・加工販売会社の社長、安藤貴子さん(61)は「外国人の増加傾向に各制度が追い付いていない。ルール整備と共生を進めて」と両輪の政策を要望した。
日立市の団体職員、草地学さん(51)は1次産業などに外国人の力が不可欠としつつ、日本の文化を重んじない外国人の存在についても言及。「共存にはルールが必要」と法整備の大切さを強調した。
同県行方市の農業、男性(49)は「外国人実習生はみんな真面目。一部の人が問題を起こしているだけ。過度な外国人排斥論には反対」と主張。同県古河市の団体代表、金子典子さん(51)は、外国人受け入れについて「ゼロか百かで議論すべきでない」と指摘。「互いを理解し、尊重し合う関係を築く努力が必要」と語った。
▼問題解決に疑問
自民党の派閥裏金事件や同事件に端を発した企業献金の是非に巡っては、多様な意見が聞かれた。同県つくばみらい市の主婦(47)は同事件に関与した議員を念頭に、「重要ポストにつけないでほしい」と述べた。
同県筑西市の主婦(51)は「政治とカネの問題が、完全にきれいになるかは分からない。(高市首相は)後ろから、にらみを利かせられるのか」と疑問視した。
企業献金に関し、日立市の無職男性(73)は「使用金額は必ず申告し、国民に見えるよう提示すべき」と透明性の確保を求めた。












