故永井さんの生涯たどる 生誕100年展、24日から古河 自筆原稿や執筆資料 茨城
茨城県古河市出身の歴史小説家で名誉市民の永井路子さん(1925~2023年)の生誕100年を記念する企画展が25日から、同市中央町の古河文学館で開かれる。12月23日まで。展示終了後、文化・観光交流協定を結ぶ神奈川県鎌倉市に巡回する。
永井さんは現在の東京都文京区生まれ。3歳で古河市に移り、結婚するまでの約20年間を過ごした。大手出版社の小学館に勤めていた1952年、週刊誌「サンデー毎日」の懸賞小説に入選。65年に鎌倉幕府草創期の権力闘争を描いた「炎環」で直木賞を受賞した。
小説「北条政子」「氷輪」やエッセー「歴史をさわがせた女たち」など多くの著作があり、独自の歴史観は歴史学界からも評価された。作品はNHK大河ドラマ「草燃える」(79年)や「毛利元就」(97年)の原作にもなった。
主要作品の舞台となった鎌倉市に約40年近く暮らし、同市の名誉市民の称号を贈られた。
永井さんの自筆原稿をはじめ、取材写真などの執筆資料、さらには父の八郎治さんが書いた命名書や、叔父で旧古河町長の三郎さんが書き記した成長記録など、同館の所蔵品を中心に展示する。秋沢正之館長は「永井さんの生涯をたどりながら作品や世界観、人間的な魅力を知ってもらえたら」と話している。
期間中、11月2日に秋沢館長や永井さんの妹の石井哀草果(あそか)さん、鎌倉市芸術文化振興財団学芸員の井上弘子さんの鼎談(ていだん)、22日には学芸員のギャラリートークなど関連イベントがある。
入館料は一般200円、小中高生50円。問い合わせは同文学館(電)0280(21)1129。
鎌倉展の会場は鎌倉芸術館(鎌倉市大船)。会期は来年2月21日から3月22日まで。












