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原中勝征さん死去 85歳 元日医会長、元茨城県医師会長

日本医師会の新会長に選出され、記者会見で笑顔を見せる原中勝征さん=2010年4月1日、東京都文京区の日本医師会館
日本医師会の新会長に選出され、記者会見で笑顔を見せる原中勝征さん=2010年4月1日、東京都文京区の日本医師会館


日本医師会長や茨城県医師会長を務めた大圃(おおはた)病院会長、原中勝征(はらなか・かつゆき)さんが7月11日に死去したことが24日分かった。85歳。自宅は同県筑西市木戸。葬儀は7月17日、近親者のみで執り行われた。

原中さんは福島県浪江町生まれ。日本大医学部を卒業後、現在の東京大医科学研究所で博士号を取得。同研究所の内科医局長や助教授を務め、1991年に大圃病院の理事長・院長に就いた。

その後は真壁郡市医師会の理事・副会長などを経て2004年4月、茨城県医師会長に就任。国の後期高齢者医療制度の内容に対して公然と異議を唱え、民主党政権誕生に先駆けて同党への支持を鮮明にした。

10~12年にかけて日本医師会の会長を務め、診療報酬の引き上げを実現。公的医療保険制度の一本化を目指し「国民の安心を約束する医療保険制度」を公表した。東日本大震災では、茨城県を含む各県へ同会の災害医療チーム(JMAT)を派遣し、被災地の医療を支援。日本の医療発展や茨城県の地域医療充実に貢献した。

17年春の叙勲で旭日重光章を受章している。

■「民主党政権誕生に力」

原中勝征さんの訃報を受け、県内の関係者らは医療や政治に大きな影響を与えた故人をしのんだ。

民主党政権で国土交通相などを務めた大畠章宏さん(78)は「政権交代の流れをつくった人で、大変感謝している」と述べた。

同党県連会長だった大畠さんは2009年5月ごろ、自民党の後期高齢者医療制度などの医療改革に問題があるとして、当時の県医師会長だった原中さんに意見を聞いた。

医師会は自民の有力支持団体にもかかわらず、「原中さんは同制度に反対した上、民主を応援すると言い驚いた」。結果的にこのうねりは全国に波及し民主政権となった。「医師として患者第一で考え、行動した人」と実直さをたたえた。

現在の県医師会の松崎信夫会長は、厳しさもあったが本当に温かい人だったとし「知識が豊富で全力で取り組んでいた」と評した。さらに「政局が不安定な今、どう語ったか。もっといろいろと教えてもらいたかった」と惜しんだ。

地元の真壁医師会の榎戸久会長は「政党の言いなりではなく、医者の立場として医療に必要なものを訴えていた」と強調。「存在として大きく、志はわれわれ後輩にも受け継がれていく」と語った。

筑西市の設楽詠美子市長は、同市の県西部メディカルセンター建設で厚生労働省からの予算確保を含め、多大な貢献があったとし「感謝とともに心からご冥福をお祈りする」と悼んだ。



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