ビール開発 北茨城特産へ 白濁特徴、豊かな香り フリーペーパー制作・加島さん イベントでも好評
茨城県北茨城市の新たな特産品にしようと、同市のフリーペーパー「KAMOS」を制作する加島優さん(45)などがクラフトビールを開発した。オレンジピールが入り、まろやかさと香りの豊かさが特徴だ。18日のイベントで初めてお披露目され、市民が列をつくった。将来的にはふるさと納税の返礼品のほか、地元食材を取り入れた「こだわりの一杯」を目指す方針だ。
加島さんは溶接・設備会社を経営する傍ら、地域の文化や話題を発信するフリーペーパーの編集長を務める。
KAMOSとして市内のイベントにバーを出店しており、オリジナルのビールを出したいとの思いと地域おこしや特産品の開発に携わりたいとの思いが強かった。
こうした中、同県日立市内でビールを製造する「日立麦酒醸造所」の代表と知り合い、監修と協力を要請。加島さんは作りたい味のイメージを伝え、レシピを作ってもらった。9月上旬からは指導を仰ぎながら、自身で仕込み。今月10日に完成した。
完成したビールは大麦2種類と小麦1種類、オレンジピールなどを使用し、「KAMOSビール」と命名。上面発酵と呼ばれる製法で、誰もが飲みやすいよう仕上げた。白濁しているのも特徴で、柑橘系の香りとスパイシーな香りが楽しめる。
北茨城市磯原町本町のJR磯原駅周辺で18日に開かれたグルメイベントに出店し、1杯500円で販売。同市の大学生、田所姫羽(こはね)さん(20)は「飲みやすく、香りも良い」と気に入った様子で、「観光客が増えると良い。友達にも薦めたい」と笑顔を見せた。
加島さんは「おいしいと言ってもらえて良かった」とした上で、「地元食材を取り入れたい」という。今後は特産品の「関本かぼちゃ」やブルーベリーなどを使用した地ビールの開発にも意欲を見せる。
市商工会の支援を受けながら、KAMOSビールを市内の旅館やホテルに卸したり、瓶や缶にしたりして味を広げていく方針だ。最終的には閑散とする同駅東口の空き店舗にバーを兼ねた醸造所を構え、活性化につなげたいという。「北茨城に良い雰囲気を醸し出したい」と語る。











