登り窯プロジェクト始動 茨城・笠間と栃木・益子「かさましこ」 後継者育成、地域活性化へ
益子焼を世界に広めた陶芸家、浜田庄司が愛用した登り窯(栃木県益子町)=町指定有形文化財=で窯焚(た)きを行う「かさましこ登り窯プロジェクト」が始動した。登り窯技術の後継者育成や地域コミュニティー活性化が狙い。来年1月15日に火入れし、同18日まで窯焚きを行う。同プロジェクト実行委員会(大塚和美委員長)が、茨城県笠間市と益子町の窯業地「かさましこ」の日本遺産認定5周年記念事業として実施する。
この登り窯での釜焚きが2015年、40年ぶりに実施された。18年にも火入れが行われ、笠間焼の陶芸家も多数参加。「かさましこ」を象徴するイベントとなった。だが、当初計画の3年ごとの火入れはコロナ禍などの影響で中止された。今回の釜焚きは8年ぶりで、日本遺産認定後初めて。益子焼作家50人、笠間焼作家35人の計85人が参加する予定だ。
同事業に関連し、12月にイベント「かさましこ日本遺産トークセッション」が同町内で開かれる。窯焚きの間には見学ツアーも実施。窯出し後の参加者の作品は都内や同町、同市で販売される。
実行委は9月30日、同町役場を訪ね、浜田友緒運営委員長が同事業について、山口伸樹市長と広田茂十郎町長に説明した。山口市長は「かさましこの陶芸家がこれだけ集まり共同作業するイベントは他にはない。お互いの産地、作家にとって良い経験になる。登り窯で焼いたことのない陶芸家にとっては、一つの勉強の場にもなる」と述べた。











