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《広角レンズ》教員の性暴力続発 揺らぐ学校現場の信頼 茨城



教職員による盗撮やわいせつ事案が全国で相次ぐ中、茨城県内でも8月から10月にかけ、勤務校の児童生徒に対する同様の性暴力で教員3人が懲戒免職処分を受けた。性暴力により県内で教員が懲戒処分を受けたケースは過去7年間で計17件に上る。盗撮の現場となった学校の保護者から「子どもの心へのダメージが心配」「学校は安全ではない」といった不安の声が聞こえ、学校現場への信頼が揺らいでいる。

全国では教員たちが女子児童を盗撮した画像を交流サイト(SNS)で共有する事件などが発生。県内では8月と10月、勤務校の女子生徒にわいせつな行為をしたとして、公立中と県立高の教諭2人が相次いで懲戒免職処分を受けた。9月にも、2020年度から23年度までの間に勤務していた2校で、女子児童生徒の着替えを盗撮したなどとして、公立中の教諭1人が懲戒免職処分を受けている。

盗撮の現場となった県内学校では保護者に対する説明会が開かれた。出席した保護者の1人は取材に「なぜ長期間盗撮していたことが分からなかったのか」と怒りで声を震わせた。別の保護者は「二度と起きないよう原因を明らかにし、再発防止へ対策を実行してほしい」と求めた。

■防犯カメラ

盗撮事案を受け、現場となった学校はスクールカウンセラーを配置。全公立学校で不審なカメラがないか緊急点検も行い、学校が定期的に実施する安全点検の項目にも「不審なカメラが設置されていないか」を追加した。さらに、県教委は29年度末までに全県立高の廊下天井に防犯カメラを設置する方針を示し、市町村立学校にも設置を促していくという。カメラ設置は盗撮やわいせつ事案を防ぐとともに、学校生活の安全性向上や校内でのトラブル防止も狙いとしている。県教委の柳橋常喜教育長は「生徒のプライバシーに配慮し、生徒・保護者の理解を得た上で取り組む」とした。

県内教職員の盗撮・わいせつによる懲戒処分件数は19年度から今年10月23日までの間に盗撮10件、わいせつ7件の計17件に上っている。

■性悪説

犯罪心理学などを専門とする筑波大の原田隆之教授は「一部教員の問題と矮小(わいしょう)化してはいけない」と指摘する。児童生徒とSNSなどで私的にやりとりする行為を禁止することに加え、教員が職員室の外にスマートフォンなどを持ち込めないようにするなど大胆な防止策が必要としている。

事案が起きた際の児童生徒への対応も重要と指摘。被害を受けた児童生徒に適切に寄り添うにはスクールカウンセラーだけでは十分ではない場合もあるといい、性暴力被害に特化した相談機関・団体と連携する必要性に触れた。

学校での性暴力は本来ゼロでなければならないとし、「『この先生は大丈夫』といった性善説は通用しない。性悪説に立って防ぐことが重要」と強調した。



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