茨城県内大学ロゴ 無断販売 有識者 「商標権侵害恐れ」 筑波大など10校 注意喚起
大学のロゴや校章が使われたデジタル商品がインターネット上で無断販売されている。茨城新聞の調べによると、茨城県内関連は筑波大や茨城大など10大学のものが扱われている。有識者は「商標権の侵害に当たる行為」と指摘し、勝手にコピーする行為を助長しないためにも購入を控えるよう呼びかけている。
「筑波紫」というオリジナルの紫色で「五三の桐紋」を校章とする筑波大。同大職員が8月下旬、県外の大学職員から「大学のロゴが無断使用されている」と連絡を受けた。
ネットで検索したところ、「学会報告や奨学金の申請、就職活動の履歴書などで使用できる」とうたう海外サイトが見つかったという。そこでは国内外の大学の校章やロゴ、キャンパス内の画像が使用されたプレゼンテーション用ソフトのひな型が、9.9ドル(約1500円)で販売されていた。中国のメッセージアプリ「ウィーチャット(微信)」や電子決済サービス「アリペイ」などで購入できる仕組みだった。同大担当者は「当然好ましくない。大学のイメージダウンは避けたい」と話し、購入しないよう注意喚起する。
茨城新聞の調べでは、県内にキャンパスがある筑波大、茨城大、筑波技術大、茨城キリスト教大など10大学のひな型が販売されている。
この販売サイトが扱う校章などについて、商標法に詳しい茨城大の荒木雅也教授は「無断で使用されていれば、商標権を侵害する」と指摘する。
商標権は特許庁で登録されたマークとそのマークを使用した商品やサービスを指す。色や音、動きなどさまざまなものが登録できる。登録者の許可なく使用した場合、利益を侵害するほか、信頼や名誉の毀損(きそん)につながることもある。
一方、商標権は登録した国のみで適用され、未登録の国で無断使用が確認されても違反と認められない可能性があるという。
荒木教授は「ロゴ使用がエスカレートし、販売サイトを公式サイトだと勘違いさせることもある」と懸念する。勝手にコピーする行為を助長しないためにも、購入について「よくよく慎重になってほしい」と訴えている。












