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都市開発に茨城県産木材PR 森林循環、温室ガス削減 首都圏近さも利点

駒沢公園口にある室外機を隠すため設置された県産木材フェンス=東京都世田谷区の駒沢大学駅(県提供)
駒沢公園口にある室外機を隠すため設置された県産木材フェンス=東京都世田谷区の駒沢大学駅(県提供)


茨城県は、県産木材の需要拡大と活用促進に力を入れている。中高層ビルや商業施設の建設など、都市開発が盛んな首都圏を中心に、建設や都市開発関連企業などへPRを強化している。適切な木材活用を通じて木を「植え、切り、使う」という森林の循環を促し、カーボンニュートラル(CN)の実現に貢献するほか、林業を持続可能な産業にしていくのが狙い。

■CSR活動

国は脱炭素社会の実現に資するとして、2021年に施行した「都市(まち)の木造化推進法」により、公共施設に加え、新たに店舗やビルなど民間の建築物にも木材利用を促す方針を打ち出した。

木は育つ過程で二酸化炭素(CO2)を吸収し、木材として使われている間は吸収したCO2をとどめておくことができる。このため木材利用は企業の社会的責任(CSR)活動の一環として注目が集まっている。

県は、商業施設やオフィスビルの建設をはじめ、都市開発が盛んな首都圏や県南などを中心に、設計や建設会社、都市開発事業者などに茨城県産木材を強力にPRしている。

PRは、茨城県の産地が首都圏に近いことや県産木材の強度などを利点として訴える。製材所や大工、建築家など林業関係の企業でつくる「県産材普及促進協議会」(同県坂東市)と連携し、必要な時に必要な量の木材を供給できる体制を整え、他県との差別化を図る。

■都内に需要

県林政課によると、近年、県産木材が活用されたのは、私鉄大手の東急電鉄(東京)の東急田園都市線駒沢大学駅(東京都世田谷区)リニューアル。駒沢公園口にある室外機を隠す外部フェンスや雨よけの屋根状構造物の仕上げ材に使用された。さらに都内では鉄骨と木造の6階建て混構造ビルの建て替え工事で3~6階の木造部分に使われた。

9月には県と同協議会、日本マクドナルドホールディングス(東京)が、県内外の店舗で県産木材を積極的に活用する協定を締結。木造店舗の建設や既存店改装に当たり、3年間で300立方メートル以上の県産木材を活用することになった。

■利用先確保へ

県内のスギやヒノキなどの人工林は約7万5976ヘクタール(4月1日現在)あるが、樹齢50年以上で、利用に適した樹木が約8割を占める。

これらの樹木は、樹齢の若い木よりCO2吸収量が少ない。需要開拓で木材の活用量を増やし、新たな苗木を植えることで森林循環を促す。CO2の吸収量も増えることから、CN実現にも貢献できる。

同課担当者は「県産木材の良さを積極的にPRして利用先を確保していく」と強調。高性能の林業機械を導入して生産性を上げ、併せてコスト削減を支援するなどして「収益性向上や持続可能な林業の育成に寄与したい」と意気込む。



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