【まとめ】「部活指導の一環」 男子生徒突き飛ばし、重傷負わせる 容疑で中学教諭逮捕 容疑一部否認 生徒は現在も治療中 茨城県警桜川署
剣道部の活動中に生徒を突き飛ばすなどして重傷を負わせたとして、茨城県警桜川署は28日、傷害の疑いで、同県桜川市、同市立岩瀬東中教諭、男(37)を逮捕した。事件があったのは前任校で、当時は同部顧問だった。県警によると、男は「部活動の指導の一環だった」と容疑を一部否認している。
逮捕容疑は、2023年10月19日午後4時15分ごろから同5時半ごろまでの間、当時勤務していた同市の義務教育学校で、剣道部員の10代男子生徒=同市=に対し、複数回にわたって突き飛ばしたり転倒させたりする暴行を加え、脳脊髄液漏出症などの重傷を負わせた疑い。
脳脊髄液漏出症は脳と脊髄を覆う硬膜から髄液が漏れ、頭痛やめまいなどが生じる疾患で、男子生徒は現在も治療を受けている。男子生徒の関係者が、事件発生から約1年後の24年11月28日に同署を訪れて被害届を提出し、県警は暴行とけがの因果関係などを調べていた。
調べに対し、男は「故意に相手を突き飛ばすようなことはしていない」と供述している。
市教育委員会によると、男は当時剣道部の顧問で、男子生徒は中学1年に相当する7年生だった。2人1組で行う「掛かり稽古」をしていたという。
■被害の男子生徒、けがでほぼ登校できず 男は懲戒処分なく「訓告」
同県桜川市教委によると、被害を受けた男子生徒は現在、けがの影響でほとんど登校できず、オンラインで授業を受けている。稲川善成市教育長は28日、「被害者並びに保護者の方に心からおわび申し上げる。信頼回復に向けて全力を尽くす」などとコメントを発表した。
県教委によると、事件の5日後に市から報告を受けて事案を把握し、調査の結果、懲戒処分には当たらないと判断した。県からの助言を踏まえ、市教委は2024年9月11日、不適切な指導だったことを認め、懲戒処分よりも軽い文書訓告とした。懲戒処分としなかった理由について、県教委は「総合的な判断」としている。
男は、現在勤務する岩瀬東中では学年主任や部活動主任を務めていた。学校側は28日、緊急の保護者会を開くなど対応に追われた。











