カシマアカデミー初V サッカーU15茨城県1部 関東2部昇格、来季へ決意新た
鹿島学園高サッカー部下部組織で、中学生チーム・カシマアカデミーFCジュニアユースが9月、茨城県リーグの高円宮杯JFAU-15サッカーリーグIFAチャレンジリーグ1部を初制覇し、来季の関東2部昇格を決めた。県5部参戦から8シーズン目につかんだ栄冠。最上級生たちは後輩に新たなステージへの切符を残し、関東の強豪に成長することを願った。
■橋渡しに
チームは2018年から県リーグに参戦。現在は鹿行地域を中心に約80人の選手が所属する。
発足当時、県内の高校サッカー部が下部組織を設けるのは初めてのケースだった。長期的視野で一貫した育成ができるメリットに加え、「強豪校は県外出身者も多い。アカデミーの存在が、地域の選手と学校との橋渡しにもなる」とヘッドコーチの海老根真志さん(36)は語る。
鹿島学園高に進学する選手は2割弱ほど。時間をかけて面談を重ね、幅広い進路の選択肢を示している。
■リベンジ
新型コロナウイルス禍の影響で昇降格がなかった20年を除き、チームは毎年昇格を続けてきた。ただ、昨季は1部4位で初の残留。主将の加勢光(みつる)さん(15)=同県鹿嶋市立平井中3年=は「先輩たちは、チームにいい雰囲気をつくってくれる尊敬できる存在。自分たちが思いを背負ってリベンジを果たしたかった」と今季に懸けた気持ちを語る。
最大の強敵は水戸ホーリーホックジュニアユース。これまで一度も土をつけたことのない相手に、今季2度目の対戦で2ー0と初勝利。ベンチの選手も一体となり、試合前から声を出して気持ちを高めて臨んだ。
最後は14勝3分け1敗で、2位に勝ち点4差をつけて優勝。11月8日から行われる高円宮杯全日本U-15サッカー選手権関東大会への出場権も得た。
■起点進化
今季のチームスローガンは「起点進化」。クラブ代表も兼ねる川上翔太監督(35)は「原点に戻り、一つ一つ進化しながらチャレンジャーとして戦う」と狙いを説明する。
「1年で降格したら意味がない。関東で上位を狙えるチームになってほしい」。副キャプテンの本宮樹さん(15)=同県潮来市立潮来二中3年=は、後輩たちが自分たちを超えて飛躍することを願う。
奥田隼矢(しゅんや)さん(13)=同県神栖市立神栖三中2年=は「先輩たちが残してくれた結果をつないでいく。相手も強くなるが、最後まで諦めずに戦う」と決意を新たにした。












