旧銀行建屋、複合施設に 水戸・泉町 カフェとホール、21日先行開館 茨城
建設から100年以上経過した茨城県水戸市泉町の旧三菱UFJ銀行水戸支店(旧川崎銀行水戸支店)が今月、複合施設「テツ・アートプラザ」に生まれ変わる。21日にカフェと市民が自由に立ち入れる無料のホールがオープンし、来年2月には美術館が開館。水戸中心市街地のにぎわい創出や芸術に親しむきっかけづくりを目指す。
ホール部分は、1909年に水戸発祥の川崎銀行の水戸支店として建設された銀行棟を改修。カフェと美術館は新設した。延べ床面積は2400平方メートル。
御影石でできた銀行棟の白亜の外壁はほぼそのままに、ホールの内壁の一部は、銀行の駐車場にあった明治期のレンガを再利用した。ピアノを設置したほか、市民らの芸術文化の発表の場として貸し出す。
太平洋戦争中の水戸空襲でも残った金庫は、新たに子どもの遊び場となる。壁をなぞると絵が描ける「デジタル落書き」用の機器を来年2月ごろに設置する。
ホールとカフェをつなぐ壁は銀行棟の外壁を生かした。カフェの入り口には重さを検知して開く自動ドアやスロープを設け、授乳室や多機能トイレもある。
カフェとホールは、21日正午にオープン。美術館は、工事後の空気入れ替えのため、来年2月14日に開館する予定。横山大観や藤田嗣治らの作品を展示する。
施設を管理するのは、アパレル大手アンドエスティHD(水戸市)の福田三千男会長が理事長を務める「哲文化創造公益財団法人」。同市出身の福田理事長が4年前に法人を立ち上げ、私費を投じて整備した。施設名は父・哲三氏にちなんだ。福田理事長は「皆さまに美術と音楽を通じて豊かな時間を過ごしてほしい。水戸の活性化にもつなげたい」と語る。
10月31日、報道向けに内覧会があり、志賀秀孝館長と川崎賢一事務局長が案内した。川崎事務局長はカフェについて「赤ちゃんを連れて休憩したり、高校生がコーヒーを飲んで勉強したりするのも歓迎」と強調。志賀館長は、美術館の開館を見据え「美術を介して自分と向き合い、ゆっくりとしたひとときを過ごしてほしい」と話した。











