リチウム電池、分別を 守谷市、コンビニ2店に回収箱 火災防止へ実証事業 26年1月まで 茨城
リチウムイオン電池の誤混入でごみ処理施設の火災が相次ぐ問題に対応しようと、茨城県守谷市は大手コンビニ「ローソン」の市内2店舗に回収ボックスを設置した。環境省の実証事業で、身近な場所に設けることで回収の間口を広げ、適切な分別につなげる。来年1月まで実施し、安全で効率的な方法を検証する。
リチウムイオン電池はモバイルバッテリーにも使われ、スマートフォンの登場で利用が広がった。強い衝撃を受けると発火する。使用後は自治体や家電販売店などで回収しているが、家庭の不燃ごみに交じり、ごみ処理施設で火災を起こすケースが後を絶たない。
守谷、常総、取手、つくばみらいの県内4市が運営する常総環境センター(守谷市)でも昨年12月、電池の混入が原因とみられる火災が発生した。現在も稼働できず、不燃ごみの処理を民間事業者に委託している。復旧工事費は約45億円とされる。4市は回収場所を増やすなど対策を取った。
守谷市は回収体制を充実させようと、ローソンの協力を得て「守谷松並庚塚店」に回収ボックスを設置した。「守谷大柏店」でも12月中旬から始める。対象はモバイルバッテリーと加熱式たばこ、携帯電話の3種類。市は毎週金曜に回収する。
守谷松並庚塚店は10月15日から運用が始まった。利用者は機器の端子部分にテープを貼って絶縁処理した上で箱に入れる。モバイルバッテリー4個を持ち込んだ市内在住の相沢千代子さん(53)は「近所に回収場所ができたので、家にたまっていた物をすぐに持って来た」と話した。
同店の横田修代表(61)が常総環境センター火災の背景を知って市に回収受け入れを提案したところ、ローソン本社から実証事業の話があり、実現した。ローソンは兵庫県神戸市の2店舗でも展開中だ。実証事業には官民7者が携わり、守谷市の費用負担はない。来年1月まで続け、効果や運用の課題を洗い出す。市は資源回収拠点をウェブ上の地図に表示するシステムも試験運用する。
市生活環境課は「コンビニは買い物ついでに気軽にいつでも捨てられる。間口が広がればごみ混入も減らせる」と期待する。












