北茨城に「赤い靴」銅像 雨情没後80年 お披露目、市民祝う
茨城県北茨城市出身の野口雨情が作詞した童謡「赤い靴」の銅像が2日、同市磯原町磯原の筑波銀行あゆみドームでお披露目された。雨情没後80年と市制施行70周年を記念し、市と「野口雨情の心をうたいつぐ会」(小田部卓会長)が企画した。除幕式には関係者や市民らが参加し、赤い靴を含めた雨情作品の合唱や演奏で盛大に祝った。
市によると、赤い靴の像は全国7カ所に設置されているが、県内にはなかった。故郷にも像を設置しようと、市と同会が依頼し、彫刻家で日本芸術院会員の能島征二さんが制作した。
銅像は木製の台座を含め高さ155センチ、重さ約100キロ。赤い靴を履き座った少女の膝上にネコがたたずんでおり、能島さんは「人や動物への愛情を表現した。雨情の故郷に、永久に残したいという思いを込めた」と振り返る。
式典で豊田稔市長は「北茨城と雨情は切っても切り離せない」とあいさつ。雨情の孫で野口雨情生家・資料館の野口不二子館長も、発表後の歌詞とは違った草稿が残っていたことなど、赤い靴の秘話を披露した。
司会の合図で除幕が行われると、地元住民らで構成する「磯原雨情会」会員40人が赤い靴を歌って花を添えた。同会や市立磯原中吹奏楽部、茨城キリスト教高コーラス部が「七つの子」「シャボン玉」なども披露し、会場は拍手に包まれた。
小田部会長は「雨情生誕の地に建立できて良かった。100年後も歌い継がれるよう活動したい」、不二子館長は「(銅像は)100年、200年後も残っていくのでうれしい」と話した。
市によると、銅像は本年度に市役所のロビーに飾られ、来年度以降は市歴史民俗資料館に設置する予定。












