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常陸牛「茨城県認定」知って 新格付け制度開始から半年 県、味の違い周知へ

県認定の常陸牛の目印となるロゴシール
県認定の常陸牛の目印となるロゴシール


今年4月に誕生した常陸牛の新しい格付け「茨城県認定」の制度がスタートして半年が過ぎた。この制度では県が、おいしさに関わるオレイン酸や月齢が一定基準を満たした牛を認定する。県などによると、ロゴが貼られ一目で県認定と分かる常陸牛が購入できるのは、食品スーパー「タイヨー」(本社・同県神栖市)の県南地域の2店舗にとどまる。制度自体を知らない消費者も多く、認知度向上が今後の課題だ。

県認定制度は、常陸牛全体のトップブランドとしての地位獲得と、生産者の所得向上を目指して県が今年4月に導入した。全国に先駆け、県独自の一定の格付け基準を設けた。

認定はおいしさを重視している。①風味や口溶けの良さにつながる「オレイン酸」が脂肪中55%以上②赤身のおいしさに関係する月齢が30カ月以上-の二つの基準を満たしたものに限る。オレイン酸濃度を測れる「近赤外線撮影装置」のある県中央食肉公社(同県茨城町)で認定している。

県常陸牛振興協会(同)によると、4月~9月末に常陸牛と刻印された頭数は約6千頭。そのうち最高級ブランド「煌」は170頭あり、煌に次ぐ格付けの県認定は480頭となっている。

■ロゴでアピール

県認定のロゴは、県のシンボルカラーである青を基調としている。県などによると、このロゴが貼られた常陸牛を購入できるのは、食品スーパー「タイヨー」の藤代店(同県取手市)と竜ケ崎店(同県龍ケ崎市)のみ。

藤代店では「売りの一つ」にしたいと、今年6月ごろから一般の常陸牛から県認定の常陸牛に全て切り替えて販売している。

同店の精肉コーナーでは、ロゴシールが貼られたステーキ用、焼き肉用などの商品を販売。10月下旬、同コーナーで品物を吟味していた70代主婦は「県認定牛は知らない」といい、別の40代主婦も「特別な肉とは(知らなかった)」と驚いていた。

同社商品本部畜産チーフバイヤーの大野和良さん(58)と、同畜産バイヤーの安倍諒大さん(42)は「まだ認定頭数が少なく、全店舗での販売は間に合わない。まずは県内で販売店を増やしたい」と意欲を示し、「ワンランク上の常陸牛だと消費者に分かるようになれば」と期待を寄せた。

■生産者で一致団結

県認定の常陸牛は、なじみの薄さなどから差別化が図られず、一般の「常陸牛」として販売されるケースがまだ多いのが現状だ。

精肉卸の「SCミート」(千葉県)はこれまで県認定も購入しているが、ロゴを付けて販売していない。同社バイヤーの平山国久さん(65)は「消費者に対してPRが難しい」とした上で「知名度が上がれば、おいしい牛肉と分かるようロゴシールを貼って販売したい」と語った。

知名度向上に向け、県は本年度、都内や県内の飲食店でメニューフェアを展開している。県畜産課は今後について「味の違いを分かってもらえるよう、量販店やスーパーなどへPRしていきたい」とする。

生産者も意欲をのぞかせる。鬼怒グリーンファーム(茨城県常総市)の社長、加藤清文さん(43)は「制度に期待しているが選ばれる肉・牛づくりにさらに努めたい」と強調。橋本畜産(茨城町)の社長、橋本武二さん(72)は「味が大切。生産者で一致団結して意識を上げ、常陸牛全体の底上げを図りたい」と話した。



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