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茨城・常陸大宮で新種二枚貝 ヒラヌマガイ 市内出身・稲葉さん採集 佐野さんら論文発表

論文を発表した佐野勲さん=常陸大宮市
論文を発表した佐野勲さん=常陸大宮市
ヒラヌマガイ
ヒラヌマガイ


茨城県常陸大宮市内で採集された淡水二枚貝が新種の「ヒラヌマガイ」として、研究者2人により日本貝類学会誌「Venus」に発表された。発表者の東京大大学院理学系研究科の客員共同研究員、佐野勲さん(34)=東京都=は「地域固有性が高い生き物で、環境の変化に弱く個体数が減っている」と指摘し、適した生息環境を明らかにして保全に役立てたいと話す。

ヒラヌマガイのサンプルは、同市出身で環境省希少野生動植物種保存推進員の稲葉修さん(58)=福島県飯舘村教委=が同市や同県相馬市などで採集し、佐野さんに提供した。

淡水二枚貝はこれまで、貝殻の形態から「ドブガイ属」と「タガイ属」に分類され、これらは「ドブガイ類」と総称されてきた。だが、2022年に日本とアジアの共同研究グループが、殻の特徴と遺伝子解析で整理した論文では国内のドブガイ類は10種に分かれることが分かった。

その後、分類・整理された貝のうち「ドブガイ属」について、佐野さんと元大阪教育大教授の近藤高貴さん(大阪府)が調べた結果、国内10種のうち「ヒラヌマガイ」など2種が新種であることが分かり、論文を発表した。

佐野さんは「サンプル解析の手法が高度化し、遺伝子情報を調べた結果、今回の新種発見に至った」と説明した。

ヌマガイなど他のドブガイ属のほとんどは殻長20センチ以上で殻の膨らみが強いが、ヒラヌマガイはやや小さく殻の膨らみも弱いのが特徴だ。

常陸大宮市の市史編さんに関わり、自然(動植物)編の執筆者でもある稲葉さんは「地域と行政、研究者が一体となって、生き物と水辺環境を守っていけたら、地域の活性化にもつながると思う」と期待を寄せる。



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