複合災害備え合同訓練 緊急消防援助隊 1都9県、連携強化 茨城県開催は20年ぶり
大規模災害時に近隣県の消防や関係機関で組織される緊急消防援助隊の関東ブロック合同訓練が12日、茨城県内4市の8会場で行われた。茨城県を含む1都9県の消防隊や陸上自衛隊、県警、災害派遣医療チームなど約1400人が参加。複合災害で倒壊した建物や土砂災害の現場で人命救助などに当たり、援助隊の活動能力と連携の強化を図った。県内での実施は2005年以来、20年ぶりとなった。
緊急消防援助隊は県単独では対応しきれない災害が発生した場合、消防庁長官の出動要請を受けた隣県の消防機関などで編成。長野、静岡両県を含む関東ブロック合同訓練は年1回の持ち回りで行う。
訓練は大雨による河川の氾濫や土砂災害に加え、茨城県沖で震度6強の地震が起き、津波や火災が発生したと想定。事前に想定を参加者に知らせないブラインド方式で行われ、現場の状況に合わせた対応力が問われた。
同県土浦市小高の採石場では隊員が土砂に埋まった複数台の車両からドアをこじ開けるなどして運転手などを救出した。道路がふさがれ孤立した集落からは、自衛隊と協力して負傷者を運び出したりヘリコプターで病院に直接搬送したりした。
一方、同県ひたちなか市新光町の会場ではビル倒壊を想定した訓練を実施。はしごを使い、建物の上からビル内に取り残された人を助け出すなどした。同市東石川の陸上自衛隊勝田小演習場では水害で孤立した住宅へボートで向かい、2階に避難した住民の救助した。
実行委員会事務局長を務めた県消防安全課の鈴木威副参事は「援助隊の受け入れ体制や連携体制の向上が図れた。訓練を災害に対応できる環境づくりの一助としたい」と話した。
訓練は13日も実施。同県鉾田市の海岸で津波を想定した救助や捜索の訓練を行う。












