《東京で躍動! デフリンピックに挑む茨城県勢》ハンドボール・林遼哉さん
■伸び盛り、初勝利挑む
「まずは1勝」。競技歴2年ながら、東京デフリンピックのハンドボール男子代表に選ばれた林遼哉さん(21)=筑波技術大4年=は力を込める。同競技での日本の出場は今大会が初めてで、初勝利に懸ける思いは強い。
デフリンピックでは、メンバーは身ぶりや手話を使ってコミュニケーションを取る。前後半各30分、7人でプレーするなど基本的なルールは聴者と一緒だ。
林さんは代表16人の中で最年少。ポジションはバックプレーヤー。7月、代表に決まった時の気持ちを「うれしさと不安の両方」と振り返る。不安の理由は経験者との差。ハンドボールは攻守の切り替えが早い競技で、経験に基づく瞬時の判断が求められる。
夏前、シュートチャンスにパスを出すなど、プレーに迷いが生じた。他の代表メンバーに相談すると、「タイミングをずらすなど、もっと攻め方を工夫した方がいい」と助言を受けた。その後、試合の動画を何度も見返し、新しい動き方を研究することで、シュートやパスの選択肢を広げられるようになった。
4歳の頃に「感音性難聴」と分かった。右耳はほとんど聞こえず、わずかに聞こえる左耳に補聴器を着け生活している。
体を動かすのはもともと好きだった。小学校で水泳、中学と高校で卓球。同大入学後は軟式野球チームに入りピッチャーを経験。運動神経の良さは周囲の目を引いた。
大学2年の夏、学内に聴覚障害者のハンドボールサークルをつくった小林優太さん(24)=代表チーム主将=に誘われ、競技をスタート。「シュートが決まった時の喜びが大きく、すぐにはまった」。現在はサークルが母体となったクラブでプレーする。
「持ち味はロングシュート。身長が高く、ジャンプ力もある」と大舞台でも長所を生かして戦う。海外選手は身体能力が高いが、「シュートを打たせない」と守備での貢献も意識する。
選手として伸び盛り。4年後、8年後の代表選出も視野に入れる。初戦は16日のトルコ戦。「今大会から自分のハンドボール人生がスタートする」(おわり)
■はやしりょうや
東京都東村山市出身。2004年生まれ。身長180センチ。筑波技術大産業情報学科の支援技術学コースでプログラミングなどを学ぶ。












