「労働局は書類見ない」 水戸京成百貨店雇調金詐取 元取締役、元社長発言を証言 水戸地裁公判
水戸京成百貨店を巡るコロナ禍での国の雇用調整助成金の詐取事件で、詐欺罪に問われた元社長の斎藤貢被告(68)=千葉県柏市=の第7回公判が17日、水戸地裁(家入美香裁判長)であった。当時、取締役兼本店長だった男性が証人出廷し、従業員の休業日数を水増しした虚偽の申請をすることについて「少なくとも社長は分かっていたと思う」と述べた。
公判では、斎藤被告に故意が認められるかが争点となっている。元取締役は当時、斎藤被告らとともに経営会議に出席する立場にあった。
検察側の尋問で、斎藤被告が不正を知っていたと考える理由を問われた元取締役は、2020年3~6月ごろに開かれた経営会議後の食事会を例に挙げ「社長は『こういう時期なので、労働局が逐一書類を見ているはずがない。指摘を受けたら修正すればいい』と独り言のように話していた」と証言した。
一方、弁護側から「コロナ禍で本当に食事会はあったのか」と問われると「(記憶は)あいまいです。ただ言ったのは間違いない」と答えた。斎藤被告と共謀したとして実刑判決を受けた元総務部長から、勤怠データの修正について相談を受けた際、斎藤被告からの指示という話題は「なかった」とも述べた。
起訴状によると、斎藤被告は元総務部長らと共謀し、20年8月から21年5月までの間に雇調金計約6億7000万円をだまし取ったとされる。











