皇室献上の柿決まる 珠玉の72個 茨城・石岡
皇室に献上する特産の富有柿を選ぶ最終審査会が19日、茨城県石岡市柿岡の市八郷総合支所で開かれた。夏の記録的な猛暑や水不足など厳しい栽培環境に見舞われながらも、生産者の努力が実り、今年も伝統の味を届ける珠玉の72個が選び抜かれた。1955年から続く献上品は20日、皇居などへ届けられる。
会場には色鮮やかな162個の富有柿が並んだ。審査員の谷島洋司市長、市八郷柿振興協議会の本田敏治会長らが一つ一つの柿を手に取り、「色の均一さ」「傷の有無」「へたの形」などを基準に真剣な表情で献上柿を厳選した。
審査に先立ち、谷島市長は「夏の高温や強い日差しで生産者は大変な苦労があったと思う。今年も無事に献上できることを大変喜ばしく思う」とあいさつ。本田会長は「10月以降の天候に恵まれ、立派な柿ができた。当番の組合は大変な緊張感があるが、この日を迎えられ、ほっとしている」と安堵(あんど)の表情を見せた。
同市八郷地区は「甘柿産地の北限」とされ、盆地特有の温暖な気候が甘く高品質な柿を育んでいる。皇室への献上は地区内の三つの柿出荷組合が持ち回りで担っており、今年は十三塚柿出荷組合が担当した。
きり箱に丁寧に詰められた献上柿は20日、谷島市長や本田会長、生産者代表ら5人が、皇居の天皇、皇后両陛下と秋篠宮邸の皇嗣殿下のもとへ直接届ける。












