南国のダンス 世界再挑戦 北茨城出身・アフィ諒汰さん 20日からサモアで大会 「絶対勝ちたい」
南太平洋の島国・サモアの伝統舞踊「ファイヤーナイフダンス」の世界大会に、茨城県北茨城市出身のアフィ諒汰(本名・根本諒汰)さん(26)が再挑戦する。サモアで20日から開かれる大会に出場する。昨年の世界選手権では予選敗退に終わり、「人生で一番悔しかった」と基礎から見つめ直した。大会が目前に迫り、「最高の演技を披露し、絶対に勝ちたい」と雪辱へ闘志を燃やす。
同ダンスは打楽器などの音楽に合わせ、両端に火を付けた「ナイフ」と呼ばれる棒を激しく巧みに操る。諒汰さんは、福島県いわき市の温泉施設スパリゾートハワイアンズの同ダンスチーム「シバオラ」の一員。昨年5月には米ハワイで行われた世界選手権に初めて派遣された。
世界の強豪がひしめく中、結果は無念の予選敗退。壁の厚さを痛感した。「より、勝ちたいという気持ちが強まった」。自身に足りなかったことを考えるため、ユーチューブや交流サイト(SNS)で海外ダンサーの動画を見て研究。ほかのダンサーと比べ、「基礎的な動きができていなかった」と気づき、改善を図った。
大技の精度向上にも取り組んだ。得意なのは2本のナイフを同時に投げ、さまざまな体勢で取る技でで、「さらに難易度を上げることができた」と自信をのぞかせる。
小学生の時、同施設で見たファイヤーナイフダンスに衝撃を受けた。憧れを抱き、2017年にスパリゾートハワイアンズを運営する常磐興産に入社したが、配属はゴルフコース。当時は同ダンスの採用枠がなかった。それでも、自費で購入したパイプを片手に見よう見まねで自主練習を重ね、18年7月に「異例の異動」につながる。同10月にはサモア語で火を意味する「アフィ」の名を冠してデビューした。
世界選手権の雪辱の場を求めていた今年10月、他メンバーのけがで、「国際シバ・アフィ・コンクール」への派遣が急きょ、決まった。同ダンスは戦いでの勝利のジェスチャーに由来するとされ、この大会では技やナイフを投げる高さに加え、戦士らしい勇ましさや力強さなども重要な評価ポイントという。
努力と熱意で憧れのダンサーとなり、次は世界で実力を証明する。「本場サモアの人たちも納得する最高の演技を見せて優勝し、日本でファイヤーナイフダンスの魅力を広めたい」












