茨城県内インフル猛威 子ども8割、全域に警報 学級閉鎖相次ぐ
インフルエンザが猛威を振るっている。全国的に例年のピークとされる年末年始より約1カ月早く流行し、茨城県内でも若年層を中心に感染が拡大。県は20日、1週間の患者報告数が定点当たり30人を超えたとして、県内全域に流行警報を発令した。警報発令は昨年より1カ月以上早く、現在の統計となった1999年以降、2009~10年シーズンに並び最も早くなった。患者は10代以下の子どもが全体の8割近くで、学校で学年・学級閉鎖も相次ぐことから、県などは感染対策の徹底を呼びかけている。
県感染症対策室によると、10~16日に県内で報告された患者数は前週比21.04人増の43.94人。県内10の保健所管内別で見ると、土浦69.33人▽日立62.00人▽つくば54.67人▽水戸51.71人▽ひたちなか50.00人▽竜ケ崎40.73人▽筑西32.00人-の7管内で、定点当たりの報告数が30人以上の警報レベルに達した。ほか3管内は古河29.80人▽潮来23.17人▽中央12.00人となり、いずれも患者数が10人を超す注意報レベルにある。
県感染症情報センターが発表した県感染症流行情報によると、年代別では10歳未満が全体の43.7%で10代が33.1%。10代以下で8割近くに上っている。患者総数は2988人。
県教委保健体育課によると、県内の県立・市町村立小中高校では20日正午時点で学級閉鎖が173件、学年閉鎖が43件、休校が8件の対応がとられた。いずれの対応も小学校が最も多い。未就学年代でも少なくとも保育園で学級閉鎖2件、学年閉鎖2件、幼稚園でも学級閉鎖3件、休園1件が確認された。
県は10月27日~11月2日の患者報告数が14.94人に達したことから、6日に県内全域に注意報を発令していた。発令は昨年より43日早かったが、患者報告数は翌週の3~10日に前週比1.5倍増の22.90人に増え、さらに10~16日に1.9倍増と拡大した。
常総市古間木新田のいとう医院には18日、午前の診察時間にワクチン接種を受ける人が多く訪れた。伊藤金一院長(67)は「今月に入り、急に発熱外来の患者が増えた。ワクチン接種の予約も増えている」と話した。
県感染症対策室の肥後琢也室長は「今後、子どもから家庭内に感染が広がる可能性もある」と指摘。「手洗いやうがい、マスク着用などのせきエチケットで予防を一層心がけてほしい。重症化を防ぐワクチン接種も検討をお願いしたい」と呼びかけた。












