障スポ 小松光喜さん 車いす操り全国大会連覇 「世界で戦いたい」 茨城・水戸
茨城県立水戸特別支援学校の高等部3年、小松光喜さん(18)=同県水戸市=が、滋賀県で10月開催された「第24回全国障害者スポーツ大会」の陸上競技スラロームで2連覇を達成した。競技を始めてわずか2年での快挙だった。脳性まひで車いす生活を送る中、スポーツの楽しさを知り、鍛錬を重ねる日々。新記録樹立とともに「パラスポーツで世界の舞台に立つ」と夢を掲げ、実現へまい進する。
スラロームは、車いすで全長30メートルのコースに置かれたポールの間を前進や後進、ターンしながら通過し、タイムを競う。同大会は10月25~27日に開かれ、小松さんは2024年の佐賀大会に続く出場となった。
競技当日は雨が降る悪天候。緊張もあり「気持ちが負けそうだった」。しかし、前回王者の誇りを胸にスタートラインに立ち、「絶対に負けない」と奮い立った。
「雨で滑り思うように動けなかった」と車いすのコントロールに苦戦。自己ベストからは数秒遅れたが、他選手を抑えて優勝を飾った。「連覇を目標に頑張ってきたのでうれしい。ただ、狙っていた新記録には届かず残念」と、喜びと悔しさが入り交じった。
脳性まひで小学1年から車いす生活を送る。両親の勧めもあり、小学5年で車いすテニス、中学で陸上競技を始めた。スポーツと出合い「人生が大きく変わった」。
スラロームは2年前に始め、すぐに頭角を現した。急発進や細かいターンが必要とされる競技で、車いすテニスで磨いたテクニックが生きた。前回大会では他を圧倒し、初出場初優勝を成し遂げた。
規定のため来年の25回大会の出場権はない。再来年の大会で「絶対に大会新記録を出す」と、再開したトレーニングには早くも熱が入る。学校での練習のほか、週1回ジムに通い、車いすの動かし方から体幹トレーニングまで専門的な指導を受け、技術と体力を磨く。
さらにはパラリンピック出場に向け、車いすバスケットボールへの挑戦も視野に入れる。スラロームはパラ五輪の正式種目ではなく、いずれ競技を転向することも選択肢に入る。
「いつか、世界の舞台で戦ってみたい」。向上心は尽きない。












