茨城の未来 思いを開封 1999年県タイムカプセル 手紙4875通、本人返却へ
1999年に埋められた茨城県のタイムカプセルが開封された。「自宅で買い物ができるようになる」「空港ができ便利に」。子どもたちが茨城の未来を思い描いた手紙4875通が、四半世紀の時を経てそれぞれの手に戻る。県は25日から本人の申請に基づいて返却を進める方針で「心当たりのある方は申請を」と呼びかける。
タイムカプセルは99年に県人口が300万人を突破したことを記念し、同年11月13日の「県民の日」に県庁南側の敷地内に埋められた。直径約1.2メートル、高さ約1メートルのスチール製で、26年の時を刻む時計をあしらったモニュメントは今も現地に残る。
カプセル内に封入する専用容器には、「茨城の未来予想図」をテーマに県内の小中学校や幼稚園、個人などから広く募ったA4サイズの手紙4875通が眠っていた。
開封日は埋設から26年後に当たる今年11月13日に設定していたが、県が昨年、開封日に備えてカプセル内部を点検したところ、雨水などによる浸水を確認。専用容器内への浸水はなかったものの、手紙が傷む恐れもあると判断し、庁内での保管に切り替えた。
県計画推進課によると、手紙に描かれた内容はさまざま。2025年ごろの茨城県の様子については、機械の導入で人々の生活が変わり、自分で行うことが少なくなる▽自宅で買い物ができる▽仕事や学校での勉強が家でできる▽空港ができ、交通が便利に▽人口は今より減っている-などの鋭い展望もあった。
県は25日から、手紙を書いた本人への返却を始める。メールによる事前申請を受け付け、本人の確認ができ次第、郵送による返却を行う。同課窓口での直接受け取りもできる。事前申請は同課サイトの専用申出書で受け付ける。返却期間は来年11月24日まで。期間経過後に返却できなかった手紙は処分する予定。
現地に残るモニュメントは、年内にも撤去する方針。同課は「多くの思い出が詰まったものなので、できる限り返却したい。年末年始の集まりなどでも話題にしていただき、心当たりのある方は申請してほしい」と呼びかけている。












