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《広角レンズ》マンション建設相次ぐ 水戸中心街、商から住へ 地域活性化に期待 茨城

水戸駅北口前で建設が進むマンション「デュオヒルズ水戸三の丸タワー」=水戸市三の丸
水戸駅北口前で建設が進むマンション「デュオヒルズ水戸三の丸タワー」=水戸市三の丸


茨城県都・水戸市の中心市街地にマンション建設が相次ぎ、かつて商業の中心地としてにぎわいを見せた街の風景が変わりつつある。水戸駅北口近くに建設中の分譲マンション「デュオヒルズ水戸三の丸タワー」(同市三の丸)も全戸完売し、地域活性化へ期待が高まる。

同駅北口から西に延びる国道50号沿いは、「馬の背台地」と呼ばれ、明治から平成にかけて商業の中心地としてにぎわいを見せた。

商都・水戸の象徴だったこの一帯では近年、マンション建設が相次ぐ。デュオヒルズ水戸三の丸タワーのほか、京成百貨店(同市泉町)の隣でも「サーパスタワー水戸泉町」の建設が進み、2027年ごろに完成予定だ。市などによると、今後、旧プリンスビル(同市南町)跡地で1階に商業施設が入ったマンションの建設も予定されている。

一帯では、商店街の苦境と相反するように「住環境」としての人気が高まっている。駅へのアクセスが良く、学校や市民会館など公共施設が多く立地することが好感され、市の常住人口調査(10月1日現在・推計値)によると、三の丸と南町、泉町の世帯数は2272世帯で、10年前から約600世帯増えた。

■潮目

「商店街は立地産業で、まずは人ありき。もうここまで来たらマンションをどんどん建ててもらいたい」。市商店会連合会の大橋章前会長(91)は、新たな街の景色を歓迎する。

昭和の商都の中心にあった老舗百貨店「ボンベルタ伊勢甚水戸店」(同市泉町)や「LIVIN(リヴィン)水戸店」(同市三の丸)、「ユニー水戸店」(同市南町)などは平成に入って次々と閉店した。郊外型の商業施設やネット通販の普及などに加え、県庁移転や東日本大震災、コロナ禍もあって「商店街の寿命」と諦めていた。だが「あと数年持ちこたえられたら潮目が変わる。夢がある」とマンション建設ラッシュに期待を寄せる。

■億ション

デュオヒルズ水戸三の丸タワーは水戸駅北側の再開発事業として、09年に閉店したリヴィン跡地に建設が進む。1階は商業施設で、分譲されるのは2~20階までの181戸。1戸当たりの価格は4400万円からで最上階20階の6戸は最高で約2億円だった。

販売するフージャースコーポレーション(東京)によると、申し込み開始から約1年の今月20日で完売したといい、大島慶也営業本部長(43)は「千波湖が眺められることや利便性の良さ、歴史(ある地区)が支持された。高価格も受け入れられた」と喜ぶ。

マンション建設ラッシュが続く現状について、不動産鑑定士の長島理さん(65)は「駅近くで利便性が良い場所に集中し、希少性が高い所から売れている。一時期にこれだけ竣工(しゅんこう)を迎えるのは珍しい。人口が増えるので地域の活性化につながる」と話した。



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