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書や油絵、生徒作品展示 水戸一高・付属中の合宿所「江山閣」 妹島さん設計、28日一般開放 茨城

江山閣で開かれている特別展=水戸市三の丸
江山閣で開かれている特別展=水戸市三の丸


茨城県立水戸一高・付属中(同県水戸市三の丸、御厩祐司校長)は、合宿や研修施設として活用されている3代目・江山閣(こうざんかく)の開館25周年を記念して、生徒が創作した美術作品を公開する校内特別展を開いている。同高出身で世界的な建築家、妹島和世さんが設計した開放的な空間に、書や油絵の芸術美が映える。最終日の28日には一般開放され、1日限定で市民らにお披露目される。同校は「建築作品と生徒の作品。両方の素晴らしさを感じてほしい」としている。

同校によると、初代・江山閣は1912(明治45)年に建築。中国の文人・范仲淹(はんちゅうえん)の詩を参考に名付けられ、「江」は那珂川、「山」は筑波山を意味しているという。

45年の水戸空襲で校舎とともに全焼。60年に再建され、合宿や集会などで活用されてきた。老朽化に伴い、同校創立120周年を機に建て替えられ、2000年9月に3代目・江山閣が誕生した。

開館25周年に向けて、設計を担当した妹島さんがメッセージを寄せた。設計のコンセプトについて「16メートル角のスペースを最低限の構造で支えた無柱空間として、いろいろな使い方で開かれた場所になることを思いながら設計を進めた」とした。特徴的なガラス張りの造りについては「(水戸城跡など)元々の遺構を感じられる、周りの緑につながった場所となるようにと考えた」と理由をつづった。最後に「先輩から受け継いだ建物を、若い後輩たちが思い思いに使って、未来につないでいってもらえたらうれしい」と結んだ。

ギャラリーとして使用するのは初の試みで、美術部と書道部の作品計28点を展示。明るい光が差し込むガラス張りの室内に、美しい文字列の掛け軸の書や鮮やかな色使いの油絵が溶け込み、空間全体で「一つの作品」をつくり出している。

書道部の斎藤悠一郞さん(15)は「光を浴びて作品がより引き立って見える。建物の雰囲気もいいのでぜひ見にきてほしい」とPR。美術部長の小峰ゆうきさん(15)は「日差しが入る場所で展示するのは新鮮ですてき。個性が光る作品を見比べる面白さを味わって」と笑顔を見せた。

一般公開は28日午前8時半~正午まで。御厩校長は「1日限定だが、素晴らしい建築作品と生徒たちの作品とともに、晩秋の美しい景観を堪能してもらえれば」と話している。



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