《いばらき戦後80年》ペリリュー島戦没者悼む 水戸で慰霊祭 遺族、遺骨収容に期待 茨城
太平洋戦争中にパラオのペリリュー島で命を落とした陸軍歩兵第二連隊(水戸二連隊)とペリリュー島守備部隊の戦没者合同慰霊祭が23日、茨城県水戸市見川1丁目の護国神社で開かれた。同島では昨年、集団埋葬地が発見されており、遺族らは早期の遺骨収容を期待した。厚生労働省によると、集団埋葬地では遺骨123柱相当を収容し、2027年度までに収容をおおむね完了できる見込みという。
慰霊祭は全国から遺族や戦友、関係者ら約75人が集まり、戦没者を追悼した。同島で遺骨収集を行う「水戸二連隊ペリリュー島慰霊会」の影山幸雄会長(80)=水戸市=が戦没者に「皆さまの慰霊活動を未来永劫(えいごう)に続け、日本を英霊の志に恥じない国にするため努力を続ける」と哀悼の辞を述べた。
慰霊祭前の全体集会では、同慰霊会が遺骨収容の進捗(しんちょく)状況や現地の写真を紹介。遺族からは園部満さん(85)=同=が同島で戦死した父親の話を紹介し、早期の遺骨収容に期待した。厚労省は遺骨を遺族の元に返そうと、遺族のDNA申請を受け付けており、同慰霊会顧問の福島伸享氏が「身元の特定につながる。ぜひ申請を」と呼びかけた。
厚労省によると、集団埋葬地では遺骨123柱相当を収容した。7月以降は現地への要員派遣で1回当たり40~50柱を収容しており、同省担当者は取材に「当初の想定通り。収容がおおむね完了する時期は(27年度から)遅れることも早まることもなさそうだ」と話した。米国の資料によると同所には1086柱が埋葬されている。
同省は来年度以降は毎月現地派遣できるよう、体制を強化したい考え。来年度の予算は、昨年度比で倍増させた本年度予算9300万円をさらに上回る額を要求している。












