J1鹿島、グッズ好評 「推し活」着目、選手が企画 毎週必ず新商品発売
残り2節となったサッカーJ1。9季ぶりのリーグ制覇に向け首位を走る鹿島アントラーズは、チームの活躍と足並みをそろえるように、関連グッズの売り上げが好調だ。今年は上半期に前年同期比約1.4倍を記録し、さらなる売り上げ増を見込む。顧客の要望に応えた豊富な商品展開やサポーターの「推し活」への着目、交流サイト(SNS)を活用したPRなどが奏功したとみられ、商品の充実ぶりにサポーターからも好評の声が上がっている。
クラブによると、2024年の営業収益のうち、グッズ部門の売り上げ高は前年から11%増加。今年上半期も前年同期比で約1.4倍の売り上げを記録した。リーグ優勝が近づいていることもあり、下半期も増加が見込まれる。
担当のマーケティングディビジョンMDグループリーダー・上杉雄大さんは「ユニホーム以外の売り上げがコンスタントに上がった」と要因を分析する。今年はクラブとして顧客の需要に広く応えるため、新規商品の展開数を前年比約2倍に増加。毎週必ず新たな商品を発売してきた。
サポーターが好きな選手を周囲にアピールしながら応援する「推し活」にも着目。全選手の関連商品に加え、デザインなどを選手自身がプロデュースした商品販売にも注力した。上杉さんは「グッズをきっかけにサポーターになる人を増やしたい」と意気込みを示す。
X(旧ツイッター)やインスタグラムなど、SNSを活用したPRにも力を入れる。クラブ公式アカウントではグッズ関連の情報発信を強化し、「非公式」と銘打って展開するグッズ情報も話題を集める。
オンラインストアに載せるグッズ画像も工夫。イラストをやめ、全ての商品で実物写真を採用した。服飾品はモデルが実際に着用している画像を数多く使う。
商品の充実ぶりに、サポーターからは評価する声が聞かれる。群馬県太田市、管理栄養士、中沢ほなみさん(37)は「応援する選手のプロデュースグッズはうれしい」とし、良い商品が多ければ「スタジアムやクラブハウスに足を運ぶきっかけになる」と積極的な商品展開を歓迎する。
グッズ交換を通して、中沢さんとサポーター仲間になったという栃木県宇都宮市、公務員、溝口佳奈さん(29)も「グッズがサポーター同士の輪を広げてくれる」と笑顔を見せる。「誰でも手が届くような商品も増やしてほしい」と幅広い価格帯での展開に期待を寄せた。












