次の記事:横断中の3歳女児、はねられ死亡 容疑で乗用車運転の男逮捕 茨城・水戸【まとめ】 

茨城県内紅葉名所にぎわう クマ危険低く安心感

筑波山中腹を赤く染めるモミジ=24日午後、つくば市筑波の筑波山ケーブルカー宮脇駅付近
筑波山中腹を赤く染めるモミジ=24日午後、つくば市筑波の筑波山ケーブルカー宮脇駅付近


全国でクマによる被害が多発する中、目撃自体ほとんどない茨城県観光地が例年になくにぎわいを見せている。紅葉シーズン後半を迎え、今年最後の3連休となった22~24日、同県大子町の袋田の滝や同県つくば市の筑波山には多くの観光客が訪れ、絶景や登山を楽しんだ。クマ生息の有無を事前に確かめてから訪れる観光客もいるといい、危険が低い安心感が県内のにぎわいを後押ししているとみられる。

袋田の滝には23日、全国各地から家族連れやツアー客が訪れ、にぎわった。夫婦で兵庫県から来た岡本秀之さん(53)は「トンネル内の装飾もきれいだったし、秋の雄大な景色を満喫できた」。

▼目撃なくなる

観瀑(かんばく)トンネル入り口近くで売店を営む藤田稔さん(70)は「昨年に比べ、外国から来られる方が増えた。アジア系が多い」と話す。同店には香港やインドから来た女性や夫婦など外国人の姿があり、リンゴを買った後、果樹園をバックに記念撮影に興じる姿が見られた。

町観光協会によると、観光客の中にはクマ被害の有無など事前に安全を確かめてから訪れる人がいるという。同協会にも「クマによる危険がないか」などの問い合わせが来ているといい、菊池正人事務局長は「町では6月に目撃情報はあったが、それ以降はない。安心感をもって来ていただいている」と話す。

同町では6月2日に茨城県常陸太田市との境付近でツキノワグマ1頭が目撃された。6日にも町内でクマらしき動物の目撃情報があったが、それ以降はクマが出没したとの情報はなく、人畜被害もない。全国では市街地に現れたり、人が襲われたりする被害が多発しているが、茨城県では今のところ、クマの危険性が低い。

▼リスクない山

秋晴れとなった連休最終日の11月24日、筑波山には県内外から多くの登山客などが訪れ、紅葉を楽しみながら山登りに汗を流した。登山客からは「クマが生息していないと聞いたので、安心して登れる」などの声が聞かれた。

この日、中腹に4カ所ある市営駐車場は日中でほぼ満車となり、筑波山神社まで続く門前通りと県道で約1キロにわたって車が渋滞した。登山客は山頂付近やケーブルカー乗り場周辺で長蛇の列を作った。

埼玉県から同僚と訪れた渡部絵美さん(45)は女体山を登頂し、山頂でコーヒーを飲みながら景色を楽しんだ。「クマのニュースが多いので、安全を考えてリスクがない山を選んだ。天気も良く登りやすくて良かった」と笑顔を見せた。

友人と2人で訪れた同県坂戸市の女性(56)も「クマが生息していないというのを聞いて安心して登れた」と話した。

連日の混雑を踏まえ、筑波観光鉄道は山頂と中腹を結ぶケーブルカーを増便した。同鉄道によると、今秋は電話などで「クマはいるか」という問い合わせが増えた。担当者は「クマはいないので安心して来てください」と話している。



最近の記事

茨城の求人情報

https://cpt.geniee.jp/hb/v1/207318/39/instbody.min.js"