茨城・神栖市長選 異例の再点検、5時間 慎重に確認、再び同数
現新2人の候補者の得票が同数となる異例の事態が起きた茨城県神栖市長選。投開票日から2週間以上経過した26日、全票の再点検が行われ、同じ結果となった。慎重を期して点検作業は5時間超に及び、見守った市民には疲労の色も見られた。
点検作業は午前9時半開始。机に投票用紙の入った段ボール箱2箱が置かれ、市職員が刃物を使い封を開けた。9日の開票で有効票と判断された票も、職員が改めて1票ずつ目を通した。無効票など審査が必要な票は別のテーブルに運ばれ、9人で作業に当たった。
両陣営からは2人ずつが出席し点検を見守ったが、通常の立会人と異なり、票の確認は行わなかった。審査係から持ち込まれた票は、市選挙管理委員会の境政一選挙長(71)を含む選管委員4人がじっくりとチェックした。
会場の神栖市民体育館(同市溝口)には、平日ながら多くの市民が詰めかけた。参観人は一時約300人に膨れ上がったが、正午を過ぎると席を外す人が目立ち始めた。
境選挙長が、結果を読み上げたのは午後2時41分。票は再度、同数と確認された。その頃、参観人の数は150人程度まで減っていた。点検終了後、境選挙長は「票の確認で、迷ったものはなかった」と説明した。
得票同数という結果を巡り、会場を訪れた同市深芝、自営業女性(47)は「若い世代が1票の重さを感じる機会になったのではないか」と指摘。投票率は過去最低の44.22%で、今後の向上に期待を寄せた。












