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マイナ保険証 混乱懸念 12月2日移行 茨城県、利用率4割止まり

マイナ保険証で受け付けをする医療機関の受診者=常総市古間木新田
マイナ保険証で受け付けをする医療機関の受診者=常総市古間木新田


マイナンバーカードと保険証が一体化した「マイナ保険証」での受診が12月2日から原則となる。茨城県の利用率が4割にとどまる中、移行を控えて健康保険の関係先には問い合わせが殺到。医療機関では今も従来の保険証が多く、関係者は「移行が知られていない」として、今後のトラブル多発を懸念する。

従来型の健康保険証は12月1日が有効期限になる。移行の対象となるのは、大企業の健康保険組合と、中小企業などの全国健康保険協会(協会けんぽ)、公務員の共済組合。自営業者らの国民健康保険や75歳以上の後期高齢者医療制度の保険証は既に期限が切れた。

■周知に努めるも

一方、マイナ保険証を持たない人には資格確認書が配られ、提示すれば当面受診ができる。さらに来年3月末までは、従来の保険証を持参したとしても、保険資格が確認できれば通常の窓口負担(1~3割)で済む暫定措置がとられた。

厚生労働省の発表によると、都道府県別のマイナ保険証の利用率は、10月時点で茨城県が40.52%。資格確認書や暫定措置は、普及が限定的な中で混乱を避ける狙いがある。

県内中小企業の従業員と家族の約70万人が加入する協会けんぽ茨城支部。マイナ保険証への移行が間近に迫るにつれ、「問い合わせがどんどん増えている」と担当者は困り顔だ。

従来の保険証が新たに発行されなくなった昨年12月から、同支部は継続的にマイナ保険証への移行を周知し利用を促してきた。各事業所や加入者にポスターや封筒、新聞広告などを活用してPRに努めてきた。

だが加入者からの質問や相談は急増。自身の健康保険の資格情報が確認できる「資格情報のお知らせ」と資格確認書との違いや、子どもの進学・就職などにより家族間で加入する健康保険が異なる場合など、担当者は「毎日問い合わせに追われている」と現状を吐露する。

■受付で戸惑う姿

同県常総市古間木新田のいとう医院では18日、来院者の約半数が従来の保険証を利用した。受付の前では、カードリーダーの使い方や期限切れの表示に戸惑う利用者の姿も見られた。

伊藤金一院長(67)は「普段は保険証を使わない若い人ほど移行や使い方を知らない」と指摘。周知とともに、マイナ保険証で可能となる医療機関同士による患者の電子カルテ情報共有についても「データベースへの接続は各医療機関に大きな自己負担がかかる。デジタル化を進めるなら国が全て行うべき」と強調する。

マイナ保険証は、手続きなしで高額な窓口費用負担が不要となり、確定申告時の医療費控除が簡単になるなどの利点がある。利用拡大に向け、協会けんぽ茨城支部は「安心で便利なマイナ保険証をまずは利用してメリットを実感してほしい」と呼びかけた。



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