パッチワークで国際交流 常磐大生や子どもたちが共同制作 水戸とフィリピンつなぐ 茨城
常磐大の学生が茨城県水戸市やフィリピンなどのさまざまな人たちと共同で、大きな一つのアート作品を完成させる「パッチワークキルト・プロジェクト」を進めている。共同制作を通して多様性やつながりの大切さを理解することなどが狙いだ。4月に2.4メートル四方の作品のパーツ作りを開始。来年2月に同大の学生がフィリピン・ネグロス島を訪れ、現地の子どもたちとともに作品を完成させる。
国内分の完成を目指して現在、水戸市内で制作が進められている。完成品は同国と同市内で展示する予定だ。
プロジェクトは同大総合政策学部総合政策学科の小関一也ゼミの一環で、同科3年の栗村晏奈(はるな)さん(21)が担当。小関ゼミはフィリピンでのフェアトレード商品の開発など海外をフィールドに、地域と世界をつなぐ持続可能な開発目標(SDGs)の実践に取り組んでいる。
今回は「誰かがそばにいる」を作品のメインテーマに、南の海で共存する魚たちをパッチワークキルトで表現。栗村さんなどの呼びかけで県立水戸三高生や水戸市立常磐小と同市立見川小の児童、同市消費者サポーターの会、シニアボランティアグループ「木もれ陽」、茨城新聞社など県内外の7団体が集まった。
全体作品を40センチ四方のパーツに分け、各団体が「平和」をテーマにしたデザインとエピソードを考案し、2パーツ分のパッチワークを作成。そのパーツをベースとなるパッチワークキルトに縫い合わせる作業が11月、同市三の丸の県立水戸三高で行われた。
国際キルトインストラクターの池田寿美子さん(84)が、寄贈された浴衣や着物の生地などを使ってベースとなるキルトを制作。参加者はそのベースにパーツを縫い付けていった。浦島太郎の作品を作った同高2年の江橋実結(みゆう)さん(17)は「日本の文化を入れたかった。授業だけでは学べない貴重な体験ができた」と振り返った。栗村さんは「多くの方の協力のおかげでプロジェクトが進められた。アートを通してさまざまな人がつながってくれたらうれしい」と話した。












