商店街にぎわい図る 日立駅周辺、社会実験 空き店舗や街路を活用 茨城
茨城県日立市のJR日立駅周辺にある商店街で、空き店舗や公園、街路を生かし、にぎわいを創出する社会実験が進んでいる。空き店舗を街の拠点にして、地域の子どもたちの居場所や遊び場に設定。無料で自由に使えるようにして効果的な活用方法を検証する。期間は来年1月8日まで。週末や祝日にはイベントを組み合わせ、市民団体や学生の参加も促しながら集客を図る。
社会実験は11月15日、同市幸町の商業施設「ヒタチエ」に隣接するパティオモールで、路上イベント「HITACHI BLUE:M(ひたちブルーム)」として始まった。主に学生や企業、行政、商業者、コンサルタントなどが参加し、交流の場を設けた。
空き店舗の一つには、靴を脱いでくつろいだり、ゲームをして遊んだりできる空間を開設。親子連れらが、ブロック玩具の組み立てや読書などを楽しんだ。モールの通路には人工芝を敷き詰め、おもちゃや休憩用のいすを置いた。街路にある公園「水の広場」では、アウトドア系の催しを用意。サウナのほかピザ釜やたき火道具を準備し、気軽に立ち寄れるようにした。
周辺では市民団体主催のクリスマス市や、夜間電飾の点灯式、マルシェが開かれ、参加者が散策した。市立小3年の宮崎莉緒さん(8)は「いろいろ歩けて楽しかった」と笑顔。母親は「にぎわいが広がるといい」と受け止めた。
イベントは週末に継続して開かれる。パティオモール商店会会長の佐藤洋一郎さん(65)は人口減少や郊外型商業の増加といった環境の変化を踏まえ、「中心街は場所としていろいろな可能性がある。駅前を活用して快適で活力ある地域になってくれれば、地方都市の将来像のヒントになるのでは」と見据えた。
市によると、パティオモールでの同様の社会実験は今年9月に次いで2回目。来場者の満足度調査では「楽しかった」「また来たい」という声が目立った。今後、隣接するぎんざモールでも実験を行う。国の補助事業の一環で、歩きやすくするまちづくりの方法を検証する。
市都市政策課の担当者は「多様な仕掛けをして、どんなものが市民や来場者に受け入れられるのかを調べていく。にぎわい創出の活動につなげていければ」と期待した。












