1万円札偽造・手渡し 元石岡市消防幹部に有罪判決 懲役3年執行猶予5年 水戸地裁
1万円札を偽造し、交流サイト(SNS)で知り合った女性に手渡したとして、通貨偽造・同行使の罪に問われた元茨城県石岡市消防本部総務課長で同市八軒台、会社員、須崎隆史被告(52)の裁判員裁判判決公判が3日、水戸地裁であり、山崎威裁判長は懲役3年、執行猶予5年、偽造通貨43枚没収(求刑懲役3年、偽造通貨43枚の没収)を言い渡した。
判決理由で、山崎裁判長はデートの見返りに金を受け取る「パパ活」の相手に偽札を渡す犯行は「警察などに言い出しにくい人にだけ渡す点で悪質」と指弾。一方で、偽札の質が明らかに本物ではないことや渡した後のやり取りから、「偽札が流通する危険性は高くなかった」と述べた。動機について、当時の借金や偽札の枚数の多さから「パパ活の費用を惜しむ意味があり、同情すべき点はない」などと指摘した。ただ、犯行を後悔し反省をする態度が見られ、女性と示談が成立していることから、執行猶予付き判決が相当とした。
判決言い渡し後、山崎裁判長は「事件を起こしても見捨てない家族がいることは貴重。きちんと立ち直って」と説諭した。
判決文などによると、須崎被告は2023年5月ごろから同年7月ごろまでの間、自宅のプリンターで1万円札43枚を偽造し、同年7月13日と24年4月13日、SNSで知り合った女性計2人に偽の1万円札計14枚を本物の紙幣のように装って渡した。











