阿見娘遺棄 「夫が殺害」 水戸地裁土浦支部初公判 拘禁刑1年求刑 茨城
茨城県阿見町うずら野の民家で、殺害された娘の遺体を押し入れや冷凍庫の中に約20年間遺棄したとして、死体遺棄の罪に問われた母親で同町、無職、森恵子被告(75)の初公判が4日、水戸地裁土浦支部(朝倉静香裁判官)で開かれ、森被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。娘が殺害された経緯については「夫から『自分がやった』と言われた」と証言。検察側は拘禁刑1年を求刑し、即日結審した。判決は18日。
冒頭陳述で検察側は、森被告は夫から「娘を殺した」などと言われ、明るみになることを恐れ、遺体を隠すことを決意したと指摘。遺体の臭いで存在が明らかになることも恐れ、夫とともに冷凍庫を購入し、夫、義母との3人で遺体を冷凍庫に入れたとした。
被告人質問で、森被告は夫から娘を殺害したことを告げられ、「絶対に言うな」と口止めされていたと述べた。自首に関しては「考えはあったが、実行に移せなかった」と語った。義母や夫が亡くなり、長男に事情を打ち明けるまで娘の遺体を隠し続けたことに「万希子(娘)に申し訳ない」と泣きながら謝罪した。
論告で、検察側は長期間遺体を放置し続けたことは「死者の尊厳や死者に対する一般的な宗教的感情を著しく損ねる悪質な犯行」と指摘。週1回、冷凍庫が作動しているか確認し続けた行動は「強い犯意を有していた」と主張した。
弁護側は森被告が長男とともに出頭し、正直に供述していることや反省していることから、執行猶予付きの判決を求めた。
起訴状などによると、森被告は2005年7月16日ごろ、自宅で長女の万希子さん=当時(29)=が死亡しているのを知り、遺体を同31日までの間、自宅の押し入れに遺棄。同日から今年9月23日までの間、自宅の台所で、購入した冷凍庫内に放置し遺棄したとされる。











