淡く柔らかな色彩絵画 茨城県五浦美術館で企画展 20日まで 近現代の画家21作品
白みがかった淡く柔らかな色彩の絵画を集めた企画展「パステルカラーな気分」が、茨城県北茨城市大津町の県天心記念五浦美術館で開かれている。温かな色使いで風景や植物などを描いた日本画や水彩画、油彩画が計21点展示されている。20日まで。
パステルカラーの由来は、粉末の顔料を固めた棒状の画材「パステル」。原色に白を混ぜたような優しい色を指す。今展は、県近代美術館(同県水戸市)の所蔵品を中心に、近現代の画家がパステルカラーで表現した作品が飾られている。
展示は日本画と洋画の2部構成で、画材による色彩の表現の違いが見どころ。鉱物を砕いた顔料の「岩絵の具」をにかわで溶いて描く日本画は、顔料の粒子が細かくなるほど白みが増す。会場では粒子の大きさが異なる岩絵の具や原料の鉱物なども展示されている。一方、油彩や水彩で描かれる洋画は、濃い色に白色を混ぜることでパステルカラーを作り出す。
目を引くのは、小野竹喬による六曲一双のびょうぶ画「武陵桃源」。若草色やもえぎ色、桃色に覆われた山々の間を、青く澄んだ川が流れる理想郷を描いた作品で、幻想的な雰囲気をまとう。雪の中でたわむれる小鳥を描いた小林巣居人の「春雪」は、ぼたん雪を淡い黄色で表した。岩絵の具の粒がきらめき、雪が日光を反射しているよう。爽やかな水色にピンク色がにじむ背景が春を予感させる。
同館学芸補助員の宮本夢花さん(27)は「カラフルで現代的な作品や『かわいい』と思ってもらえるような作品を集めた。当館に来たことがない方も気軽に来てもらえたら」と話した。












